何かおかしいぞ | ナノ
 



昨日の王道展開を見逃してしまったのは腐男子としてあるまじき事だ。

だがしかーし!王道展開はまだあるもんねーっ!
今日も朝からやいのやいのって王道君の陰口ばっか。
俺とのごにょごにょの陰口もあったけど皆俺の顔を思い出せないって言ってた。
だから悪目立ちしてる王道君に怒りの矛先が行ったらしい。
俺の影薄くてよかったー!
王道君は仲良くしてくれてるから心配っちゃあ心配だけど王道君だし!
上手く切り抜けて生徒会どころか全校生徒を魅了しちゃってハァハァ!

そして昨日の暴行事件で担任のホスト、黒澤先生に呼び出されたとかキャーッ!
キタ王道キターっ!
先生の研究室でアハーンな生活指導されちゃうんですねっ!
ホントは邪魔しちゃダメって分かってるんだけどほら、王道君に一緒に行こって誘われちゃったからさーっ。
いやっ、別に途中でこっそり部屋から出てアハーンを覗いちゃうとかそんな事しないんだからねっ。
良い感じになったらこっそり抜け出して…えへっえへへっ!
神様ーっ!!王道展開ありがとうございまぁぁぁす!!


とかノリノリな俺でしたが2人仲良く歩いてたらあああ罵声がぁぁぁっ!!
怖いよっ!!チワワにポメラニアンにシーズーみたいな子達がキャンキャン吠えてるよっ!!
可愛い子ちゃん怖っ!!
てかあれだよっ、2人一緒に居たから俺バレたぁぁっ!!
あの平凡…!的な感じで皆指差してくるぅぅ!!
ヤバイヤバイヤバイ!!
おっ、俺制裁とかにあっちゃう系?
今王道君と2人きりだし狙い目……

「ぎゃぁぁぁぁあ!!先生助けてぇぇぇぇっ!!」

「わっ、玲央っ!そんなに早く行きたいのかっ!?玲央遅いから俺が引っ張ってやるよっ!!」

「へっ?うきゃぁぁぁああ!!」

親衛隊に捕まらないように走り出したのに俺がはしゃいでると勘違いして腕引っ張られちゃってちょっ、タンマタンマぁぁあ!!
早っ王道君足早っ!!
これなら捕まんないけど俺もう半分こけてるっ!!
引き摺られて痛いから止まってぇえええっ!!


「撻祈っ、来たぞっ!!」

「おい、教師を呼び捨て…小野寺も来たのか?…丁度良い」

「はぁっはぁっ、はぁっ、はひっ?」

今確実にホストと王道君のめくるめく王道なやり取りが始まろうとしてんのに酸欠で目の前霞んで見えないなんてぇぇぇっ!!
心の目なんて役に立たないよ見えないよぉっ!!

「まぁお前らそこ座れ」

「玲央、座るぞっ」

あれよあれよと手を引かれて王道君と一緒に黒い革張りのソファーに座った。
おぉっ、ふっかふかっ。
そしてここに王道君を押し倒して個別レッスンをハァハァッ!
先生向かい側に座ってるけどホントは王道君の隣がいいですよねぇっ!!
ちょっと、ちょっと待ってて下さい息さえ整えば場所変わるんで…!!


「鈴野、お前を呼び出したのはアレだ。何で会長を殴ったんだ?俺に面倒掛けさせやがって」

え?
面倒掛けさせてって、も、もしかしてっ、会長を殴った王道君守る為に裏で手を回したとか!?
その代償にお前の体っ体をぉぉぉぉおっ!!

「だってあいつが玲央を泣かせたから…」

「おっ、俺?」

俺を泣かせたからって…そういや、昨日もあの時の話してる最中にスタンダッして…おっ、王道くぅぅぅん!!
友達の為にそんな事するなんて男前ーっ!!
これはもう生徒会も惚れてまうやろーっ!!
仲間想いな王道君ktkr!!


「そうか。でももう会長殴るなよ。よし帰れ。そして小野寺は残れ。お前にも話がある」

「うぇ!?」

「おうっ。玲央っ!先帰って待ってるからな!」

な、何この展開!?
そんな笑顔でちょっ、おまっ!
何で何で!?何で王道君帰しちゃうんだよこのホストォォォ!!
襲うんじゃなかったの!?
アーッ!!って展開は!?
何で俺が残ってるんだよぉぉぉぉ!!
神様なんでぇぇぇえっ!!
王道君行かないでぇぇ!!
行く前にホストにヤられちゃえよコノヤロォォォォ!!





2011/07/20
玲央を泣かしたから会長を殴った王道君。
王道君ももう玲央大好きです。
もう一人、虎視眈眈と狙ってたホストのターンに続きます。



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