意味が分からないよ!! | ナノ
 



はぁい!さっきはうっかり暴走しちゃった玲央デッス☆
何で暴走しちゃったんだろ俺。うふふっ。
ああっ、何でかなぁ?
思い出せないっ思い出せないよぉ!
全く全然これっぽっちも思い出せないよぉっ!
えぇー、玲央わかんなーいっ。
だからもう思い出させないで下さいマジでお願いします泉様ぁぁあっ!!


「お前は泣くしか脳が無いのか。何があったかさっさと話せ」

「ひぐっうぅっ、らって、なんかっはなっ、いたいしっ、もぉやらぁっ、かえっ、かえるっ、おれっ、にじげんっ、かえるっ」

「玲央、にじげんって何だっ?」

「黙れ転校生」


ワォっ、泉さんマジ辛辣っ。
さっき、食堂から泣き叫んで走ってた所を泉に足引っ掛けられて顔面からスライディングした。
鼻痛っ、えっ痛っ!
鼻痛いしハプニングキッスでもう泣き過ぎて呂律が迷子っ。

取り敢えず午後の授業はサボッて俺の部屋で説明なう。
俺と向かい合うように不良君、王道君、関西君の順番で座ってる。
ナイス座席!なのにあれ、おかしいな。涙で前が見えないや…。
右手には食堂からパク…拝借してきてしまったレンゲを握ったまま左手にはぐっしょぐしょのハンケチ。
くましゃんも同情してぐっしょぐしょになるぐらい泣いてくれたんだねっ。
くましゃぁぁあんっ!!

「それがなぁ、玲央ちゃん…会長に唇奪われてもうてん」

「ふぎゃっ!ああああそんなのありえにゃいっにゃっにゃいっふぁああ!ちがっあれ、ちがっあっ、ふがっ!」

「落ち着け」

関西君が俺の代わりに説明すると同時に忌々しい記憶が蘇っちゃったよっ!
あそこは俺じゃなくて王道君でしょが神様ぁぁあっ!!
思い出しちゃって発作が起きかけた時、泉が顎をホールド。
ナイスアシスト!落ち着きを取り戻しつつあるけど泉の指が食い込んで痛いぞっ!


「たかがキスしただけだろ」

「はがっ、あふぇっふぁふぁふとひっふはっはほうっふうっ」

「何言ってるか分からない」

あんたが顎掴んでるからでしょうがぁあっ!!
今日の泉マジ容赦ない。
傷心中なのにぃ…

「…あれ初めてだったのか?」

「へっ!?玲央ちゃんそうなんっ!?」


何で分かったの不良くぅぅうんっ!?
俺自分でも何言ってんのか分かんなくて最後適当だったのにっ!
そして何故に関西君スタンダッ!?
おちっ、落ち着いてぇぇえっ!!


「お前…この歳でファーストキスまだだったってどうなの?しかもたかがキスごときで煩い」

おっとー?その口振りだと泉はファーストキッス経験済みだなぁっ?
しかもキスごときってちょっと!
泉はキスだけじゃ満足しないんですねっ!王道君とキスしても満足できなくてそのまま押し倒してっ…はぁはぁっ!!
いけっ啼かせろ泉ーっ!
っべー、テンション上がってきたぞフッフゥーっ!!


「玲央、そんなにあいつとのキス嫌だったのか?」

「ふひっ、き、傷をえぐらないでぇっ!」

折角テンション上げたのにここでKY発言だなんて王道君マジ王道君なんだからぁっ!
あ、あれ?何か王道君、プルプル震えてない?

「玲央を泣かした奴は許さねぇっ!」

「ふぉっ!?」

王道君までスタンダッして元気いっぱいに出ていった。
な、何?王道君の雰囲気がちょっと怖かったんだけど。


「玲央ちゃん。あんな記憶、俺が忘れさせたるからなぁ?」

にこにこ笑って関西君が身を乗り出して頭撫でてくれる。
それをガン見な不良君のヤキモチぃぃいいっ!?
お前らもう結婚しろよぉっ!!
俺力一杯ライスシャワー投げるからさぁっ!
ぐっと手に力を入れてたらハンケチをくいくいって引っ張られる。


「これ、返してもらってもえぇかな?」

「あ、うっ、あらう、よ…?」

「洗わんでえぇよ。その方がオカズ「てんめぇぇぇっ!何抜かしてやがるっ!」

「ぴゃっ!!」

おぉうっ!不良君のビッグボイスにまた奇声がっ。
てか今関西君、何か言い掛けたような…ふおおおおおっ!!
関西君と、不良君がっ、過激にじゃれあってる!!
ボコり愛もいけちゃうよ俺っ!
誰か録画してぇぇっ!!


「お前ら煩いっ!もう帰れっ!」

騒がしいのが嫌いな泉はとうとうプッツン来ちゃったらしく関西君と不良君の首根っこを掴んで部屋から引き摺り出した。
つ、強い…!泉って実は喧嘩出来ちゃうとかそんなギャップあったりすんの!?

「このハンカチは俺が処分しとくから」

「は、え?あ、はい」

処分って…そりゃ俺の涙とか涎とか鼻水混じりだけど洗えば綺麗になるよっ!
って言いたかったけど今の泉は機嫌悪そうだから言わないでおこう。
俺は空気読める子!
よしっ!今出来る事はただ1つ!
気を取り直してどうやったら王道君総受けフラグが再建できるか考えるんだっ!
玲央っ、立ち上がれぇぇぇえいっ!!







その日の夜、レンゲをパク…拝借しちゃってごめんなさいって食堂に返しに行った。
お昼にあんな事あった後じゃ1人でいると親衛隊に殺されちゃうっ!って泣きついて泉に同伴してもらっちゃった。
でも皆、俺に気付かない。
平凡だもんねぇっ!自意識過剰過ぎたあいたたたーって思った時に聞こえた会話に驚いた。

今日の午後に王道君が会長に殴り込みに行って公衆の面前で顔面に拳決めたらしい。

ちょっえっ、えぇぇぇっ!?
王道君っ、あの後自分でフラグ立てに行ってたの!?
俺の練り直した再建プランは!?
てかっ、てか何で俺がいない間に会長×王道君イベント発動してるのっ!?
神様ぁぁぁぁぁあっ!!
王道君総受けイベントには俺も傍観者として参加させて下さいよぉぉぉおっ!!
俺をっ、俺を忘れてイベント発動なんて意味分からないよぉぉぉっ!!





2011/06/15
やっと委員長登場です。
玲央の体液塗れのハンカチを本当に処分したのか、それとも関西君の思惑と同じくオカズにしたのかは誰にも分かりません。
取り敢えず、この先の展開がまだ曖昧なので次回の更新は間が空きます。ご了承下さい。


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