来たよ来た来たキタァァァァァア！！
やっと、やっと始まる王 道 展 開！！
歓声の中花道が出来ちゃってますよっ！！
そういや俺も生徒会様見るの初めてっ！！
きゃーっ！！
生徒会様きゃーっ！！きゃーっ！！
「うっせぇぞ愚民共」
不機嫌そうに言ったのは生徒会長の廉間 琉哦(かどま りゅうが)様！
おっ、俺様でドＳ、だとぉぉっ！！
愚民だなんてそりゃ貴方様のお家柄からしたら皆下々ですとも！！
その言葉にときめいちゃってるドＭチワワたん達はセフレに違いないっ！
今夜も抱いて下さいとか言っちゃってほわぁぁぁあっ！！
抱かれちゃってくださぁぁあいっ！！
「いつもありがとうございます」
おぉっとここで副会長の硲 悠都(はざま ゆうと)様がファン達に笑顔を振り撒く！
ナイススマイルっ！でも目が笑ってないっ！
待っててもうすぐその笑い方を指摘してくれる可愛子ちゃん送り込みますぅううっ！！
そしたらとびきりスマイルを王道君に宜しくお願いしまぁぁあすっ！！
「あはっ、君かぁいいねぇ。今夜相手してあげるから部屋来なよぉ」
会計の小鳥遊 葵(たかなし あおい)様は公然で堂々と夜のお誘いぃいいいっ！？
よかったねそこのチワ…いや、あの子はポメラニアンっぽい！
ポメちゃんおめでとうっ！出来るのならその情景を盗み見したいです…！！
「……」
そしてやっぱり無口ワンコ系書記の菊地 棕茉(きくち そうま)様は喋らないっ！！
そして動じないっ！周りに全く動じないっ！
この歓声の中動じないのは凄いっ！
俺の耳はもう限界です。
「おいっ！！お前らうっせぇぞっ！！静かにしろよっ！！玲央が耳押さえてんだろっ！！」
「お、俺ぇぇぇっ！？」
王道君がガタンッて立ち上がった瞬間よっしゃキタァァアッ！！って思ったのにまさかそこで俺に振っちゃうの！？
いやいや俺を登場させたらダメでしょがぁぁあっ！！
そこはうるさくて飯食えないとかっ…王道君食べ終わってる！？いつの間に！？
あああああこっちに会長様が向かってくるぅうっ！！
痛いっ！！不良君のような鋭い眼差しが食堂中から集まって痛いよっ！！
「今言ったのはお前か？」
「そうだよっ！！お前らうっせぇよっ！！」
「威勢良いじゃねぇか」
神様ぁぁぁあっ！！ありがとうございますぅぅぅっ！！
王道君が通路側にいたお陰で会長様は俺の存在に気付いてない！
気付いても目立たない俺より悪い意味で目立ってる王道君に興味行くよね神様ぁぁあっ！！
これはご褒美ですかっ！王道展開に導こうとした俺にご褒美ですかっ！？
今正しく目の前にはチート過ぎる程の王道展開がっ！
キスすんの？キスするんですよね？早くキスしちゃえよ激しいやつをよぉっ！！
いけっ！よしそこだっ！いったれぇぇぇっ！！
会長様が王道君の椅子に手を置いてそのまま王道君に顔近付けてっ…
「あ、ナルト残ってた」
「「！！」」
あとちょっと、あとちょっとで会長様と王道君のキスが見れるという感動的瞬間のはずだったのに。
王道君ったらラーメンのスープに浮いたナルトに気付いた。
全くもうっ！空気読んでっ！読まないところが君の良いところだけど読んじゃって！
ナルトを食べようと体を屈めた王道君。
空振りして更に身を乗り出した会長様。
そんな2人のキッスを見ようとレンゲ片手に身を乗り出してた俺。
神様、こんな展開求めてないです。
俺が会長様とキスするなんて展開求めてませぇぇぇぇぇんっ！！
「ぎゃぁぁあああっ！！唇っ、唇がっ、ぎゃぁあっ！！タオルっハンケチッ！！何か拭くものぉぉぉっ！！もうこの台拭きでも良いから拭くものぉぉぉっ！！」
「玲央ちゃんっ！！会長あんた、何してくれとんやっ！！」
半泣きになって半狂乱で拭くものを探してたら関西君がそっとハンケチを貸してくれた。
クマしゃんハンケチ可愛いけど今はそれどころじゃないっ！
俺の唇がぁぁあっ！！
クマしゃんが見るも無惨に歪むぐらいゴシゴシと唇を拭いても事実は変わらないけどねぇぇぇっ！！
俺は腐男子だけどノンケなんですぅっ！！小柄で腐女子な子と一夏のアバンチュールで結ばれて初キッスする予定だったのに何で会長様と…！！
あああさっきより視線が痛いっ！！罵声もっ、やだっ、怖いよぉぉぉっ！！
「うっせぇなぁっ！！テメェら睨んでんじゃねぇぞゴルァァアッ！！」
「ぴぃっ！！」
「わっ、悪ぃっ…」
まさか不良君が庇ってくれるなんて…！
周りが一斉に黙った。
ぴぃとか変な声出してごめんちゃいっ！
やっぱさっき仲間って認められたんだっ！
不良くぅぅうんっ！！
「……お前の唇、甘酸っぱい」
すぐに半狂乱になった俺とは反対に会長様は漸く体を起こして呟いた。
甘酸っぱいのはケチャップの所為だからぁぁあっ！俺は甘酸っぱくないですぅうっ！！
だからそんなに俺見ないでぇぇっ。
ちょっ、えっ、何？会長様どころか周りも俺ガン見？
てか生徒会の他のメンバー様も俺ガン見？
まさか食堂の視線、一人占め？
「うわあああああああああ！！かえっ、帰るっ！！帰るぅうっ！！もうやだっうぐっ、唇っ、気持ち悪っ、かっ、帰るぅうっ！！帰るったら帰るもんっ！！過去に帰って全てをやり直してやるんだからぁああああっ！！」
「玲央待てよっ！俺もナルト食ったし帰るって！！」
「おいっ、待て！！」
「会長は来んなやっ！！よくも俺の玲央ちゃんにっ…玲央ちゃんっ、落ち着いてぇぇっ！！」
「あいつはテメェのじゃねぇだろっ！あいつはっ…ま、待てっておいっ！！」
その後、委員長の泉に捕獲されるまでずっと泣き叫びながら走り続けました。
こんだけ速く走ったんだ。過去にタイムスリップぐらいは出来てるよね？
え、速くないし出来てない？ああそうですか。
そんな簡単に過去は変えられないよねぇ。
神様のばかぁぁぁぁあっ！！
2011/06/08
玲央の大暴走です(笑)
大好きなおじいちゃんがハンケチと言っていたので玲央はハンカチをハンケチと言います。
あとこの生徒会は王道生徒会です。
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