きゃー!抱いてー! | ナノ
 



拝啓 パパンとママン。
お元気ですか?玲央は日々萌えの為に頑張ってます。
これからも萌えの為に頑張ります。
たとえ、たとえ制裁を受けようともぉおおおおっ!!

こないだエロホストに呼び出された時、王道君と一緒にいたのをきっかけに生徒会長様とキスをした平凡ヤローを皆思い出しちゃったんだよぉっ!
あ、そういえばあれだ!あんなに印象に残らない顔は他にない!的な。
失礼だなコンチクショォォォッ!!
そのお陰で今日も登校する時に頭から水を被りましたとさ。
体操服、2枚買っといた俺GJ!

「玲央ちゃん、今日も体操服なん?」

「うん、ぐすん」

「何だよ何考えてんだよあいつらっ!バケツなんて危ないだろっ!」

教室に来た関西君が頭撫でてくれてる。ああっ、その爽やか笑顔で同じように濡れた王道君に慰めてあげてよぉっ!
そしてお返しは体をねだっちゃいなよぉっ!
って言いたいけど、彼は何故か毎回トラップを交わしてくるんだよね。
何であれ交わせんの!?忍者!?
はっ!まさかこれは族潰しフラグ!?族潰しをしてて研ぎ澄まされた危機察知能力のお陰かっ!そうだったのかーっ!
じゃあ結局被害受けてんのって俺だけ?うわぁぁんっ!
今のところ誰かと一緒だと安全っぽいから泉に一緒に登下校しようってお願いしても即答で却下だしぃ。泣いてお願いしたのにぃぃっ!今日も俺より先に登校しちゃっよ泉!
まさか泉はびしょ濡れで登校した王道君の生着替えを見る為に待機してるとか!?そうなの!?それじゃあ仕方ねぇっ。俺は野暮な真似しないぜっ!
よーしっ!じゃあ今俺が考えるべき事はどうすれば王道君がびしょ濡れになるかだな!
濡れたらあのカツラ取って皆を魅了してくれちゃったり!?濡れて透けたてぃくびに関西君が欲情して襲っちゃったりぃぃいっ!たまには社長出勤じゃなくて真面目に登校した鋭飛君も混ざっちゃったりぃぃい!公開かこのーっ!
泉も負けんなっ!混じっちゃって頑張れぇぇっ!勃ち上っが、間違えた立ち上っがれぇぇえいっ!!


「あいちゃっ!」

「玲央ちゃん!?」

エヘエヘしてたらノートで指切った。あまりの痛さに噛んじゃったよ。
王道君が心配するのも無理ない。スパンと切れて血が出てりゅぅぅうっ!?

「何じゃこりゃぁぁあああっ!!」

「玲央っ、お前の血だって!」

冷静な突っ込みをありがとう!
でもホント痛い…ノートを見たら剃刀の刃が見えた。何て典型的なトラップに引っ掛かったんだよ俺。笑い声も聞こえるよ。
でもちょっ、これはやり過ぎでしょがぁぁあっ!!

「うぅっ、痛い…」

「玲央っ、保健室に行こうぜっ」

「あんたらなぁ、ええ加減にっ…」


いつもニコニコの関西君がキレて声を上げた瞬間、それよりも派手な音が俺の左斜め後ろから聞こえた。
ビックリして恐る恐る振り向いたら座ったまま机に踵落とししたらしい泉さん。
え、机がぺきょんって半分に折れてますけどそんな簡単に折れんのっ!?
いっ、いい泉さぁぁぁあんっ!?

「お前らさぁ、どれだけ調子乗ったら気が済むわけ?誰がやったの?ああ、お前ら?」

「ひぃっ!ゆ、ゆる、して…」

立ち上がって震えてる犯人っぽい子達に歩み寄った泉超怖い。
初めて笑った顔見たけど悪魔降臨って感じの笑い方だったよぉっ!!
泉ってこんなに怖い子だったの!?俺、今までよく無事だったなぁっ。

「あーあ、あいつ怒らせたらただですまんやろなぁ」

「ん?何で?」

「え、玲央ちゃん一緒の部屋やのに知らんの?あいつ、かなりでっかい極道の家元の一人息子やで」

何、だと…!?
そんなオイシイ設定だったの!?生徒会以外ノーマークだった!!
泉も教えてくれたって良いじゃんかぁっ!!
じゃあ泉と王道君が付き合ったら舎弟達に姐さんとか呼ばれちゃう系!?
その展開も捨てがたいっ!!

「あいつに手ぇ出して無事で済むと思うなよ」

あいつ?
チラッとこっちを見た泉の視線は俺の隣の王道君にぃぃいいっ!?
きゃーっ!デレた!泉がデレたーっ!
王道君が俺の二の舞にならない為に牽制かけてるのねっ!静かにキレてる感じ?
ああああっ、泉さんマジクーデレ!
ああもうそのままコクっちゃいなよぉっ!そして早く王道君を


「抱いて泉ぃぃぃいっ!」

心で思いっきり叫んだら何かシーンとしてるんだけど、あれ?
何で皆見てんの?
そういや手が痛い…ぎゃぁあっ!
血がっ、まだ血がぁぁあっ!
いつの間にこんなにぃっ!


「おい、それは2人きりの時にまた言ってもらうからな」

「え…?」

俺の元に来た泉が手を取って傷口をペロッと舐めた。いやまだ舐めちゃってる。
ああ、消毒?
ていうか、2人きりの時に言えって何を…


「れれれ玲央ちゃん、まさっまさか、委員長とっ…」

「え?」

「きょっ、教室で抱いてとか何言ってんだよっ」

焦ってる関西君と顔真っ赤っぽい王道君は一体…ま さ か !?
心の声、漏れてた?
ちょっ、そんなっ…!

「ちがっ、そんなっじゃ…」

「恥ずかしがるなよ。お前が俺に泣かされてろ」

泉さぁぁぁんっ!?
勘違いしちゃってるぅぅうっ!?
どこからだっ、どこから声が漏れてっ…はっ!
何かいつの間にか教室どころか廊下まで凄い人集かりが。
その中心に俺達。
視線は俺に向いてる。

「ぎゃあっ!ちがっ、そんなっちがっ、いずみっちがっ、そんなっきゃぁぁぁあああっ!!」

視線に耐えきれなくなって俺はまた走り出した。
俺っ、俺違うもんっ!俺はノンケだもんっ!泉に抱いてほしいのはっほしいのは王道君だもんっ!
あああああ神様皆の記憶消してお願いしますぅぅぅうう!!


そして教室から飛び出してすぐに珍しく遅刻せずに真面目に登校した鋭飛君に遭遇して強制的に教室に連れてかれました。
さっき泉が舐めたからか血が止まっちゃってサボる理由がないからサボれない。
また視線集めちゃうしもう…もうやぁぁぁぁあっ!!





2011/10/05
お久し振りの更新です。また玲央が暴走です。
委員長は玲央の泣き顔や困った顔や懇願する顔が好きなので助けようとしませんでしたが玲央が怪我させられて今回プッチン来ました。
委員長がチラッと見たのは勿論王道君じゃなくて玲央です。


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