Short-SxD- | ナノ

 03.キスがさいご



出会ってもう5年になる。
友達の幼なじみって紹介されて、一緒に遊ぶようになって、1年後には特殊な感情抱いちゃってたりもした。
初めは完全に俺の一方通行、アイツは俺が何も言わなくても気付いてた。
年下だから、手出しちゃいけないってずっとスルーしてたんだってよ、ばかなやつ。


でも結局、こうなった。


俺の粘り勝ちってやつ?
手、って言ったら繋いでくれる。
なぁ、って言ったら触ってくれる。
言葉にならなくなったら、俺の事わけわかんなくしてくれる。
でも、絶対唇にキスしてくれない。


出会って5年、恋人になってもうすぐ半年。
この半年、俺が何度アイツの唇を奪おうとしたことか…
その度に余計なとこまさぐって、誤魔化してくるんだ。
分かってんのに。
俺、そうされるって分かってんのに、気持ちいいからそれでいーやってなるんだよ、ちきしょ。
だってアイツの手、ぺとって貼りつくみたいで、なのにさらさらしてて、ほんとたまんないんだぜ。

でも、触られるともっとってなる。
もっともっと近くに来いよって。
首筋も、耳元も、背中も脚も、ああそうだよ、お前ほんとに分かってるよな。
俺、そこにキスされんの、ほんと好き。
だけどもう、それじゃ足りねえんだよ、佐助、なあ佐助、俺もう我慢したくねえ。


なので、今日は、なんとしてでも佐助の唇をかっさらいに行こうと思います。


って、佐助に宣言してみた。
そしたらアイツ、なんて言ったと思う?


「政宗さ、オレにハマって抜け出せなくなったらどうする気?まだ19なったばっかりなのにもったいない…」


安心しろ、もう手遅れだ


そう言い返して、佐助にのしかかったら、



ああ、ほんとだ、これはまずい。
いや、まずくない、すっげえうまい。
なんていうかな、まじ、不覚にもキスだけで泣きそうになった、ほんと、不覚…
いや、泣いてねえよ?
泣いてねえけどよ、なんか…わりぃ、俺、アンタの事ちょっとみくびってた。

そのさ、やめとけとか言っておきながらガッチリ俺の首筋引き寄せにきてる冷たい手とかさ。
角度変える度に吐く息とかさ。
絡まってくるその、舌の動きとか、さ。
ああ、やっべ、これ、とまんね、苦しいかも、でもきもちいいかも、これ、ああほんっと、
さすけ、もっとキツイのくれよ、もっとおれを壊しにこいよ、

さすけ、さすけって、ほんっと、ああもう、おれ、完全に溺れた


「だから言ったのに。後悔してもだめだよ、もー離してあげないからね?」


頼むからもうしゃべるなよ、あっつい息が、気持ちいいだけだから。





END


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