▼ 08.I love it !
今日あまりにも暇だったからよ、勝手に遊びにきた。
居ないのは知ってたけど。
勝手に上がり込んでても別に何も言われないし、
合カギもらってっから別にいいよな?
お前がバイトから帰って来るまで大人しく待ってるから。
飯も作っておいてやるから。
だから帰ってきたら、ちゃんと構えよな。
…とか思って、寝っ転がりながら本読んでたら、案の定爆睡。
だってこの枕さ、お前のにおいして落ち着くんだもんよ。
このふわっふわのブランケットにも、こないだ新しくしたばっかのベッドシーツにも、サイドテーブルに置かれたアロマスチーマーの香りにも、お前の存在を感じる。
俺、やっぱりココ好きだ。
お前が必ず帰って来る場所 。
ココに居れば、俺もその一部になれんのかなって。
『おかえり』言うのも好きだぜ、俺。
『ただいま』って言って笑うお前の顔、見れるから。
お前は知らないかもしれないけどな。
…あ、帰ってきた。
このバイクの音、きっと佐助だ。
起きて待ってたかったけど、意識も体も完全に佐助ベッドに収納されてるから、ちょっとムリ。
つーか佐助が帰ってきたってことは、もう夜中の2時過ぎってこと?
寝過ぎで逆に眠い…
結局飯作ってねーし。
あーあ、グラタン一緒に食べたかった。
なあ、早くバイク停めて部屋上がってこいよ。
そんで『ただいま』してから俺のこと起こしてくれよ。
物に染み付いた佐助じゃなくて、本物の佐助に構ってほしいんです。
って、素直に言うのは恥ずかしい。
寝たふりしてるから、よろしく。
…お前が俺のこと起こす前に毎回kissしてくれてんの、ほんとは知ってるって言ったら、お前どんな顔するんだろな。
ははっ、ちょっと見てみてぇ。
その顔みるのと、あのkissもらうのと、どっちか選ぶとしたら…
ん、すげー迷う。
次までに決めておくから、今日はいつも通り好きにさせてやるよ。
おかえり。
ただいま伊達ちゃん、いつも寝たフリしてるの可愛いよ、
ちゅーしてもいいかな、いいよね?
いちいちぴくってなるの、たまんないね。
END
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