Long | ナノ

 中編






屋敷の端の、窓もない空き部屋。
旦那を連れてそこに忍び込んだ。
ふすまを閉じれば真っ暗闇で何の音も響かない、まさに二人だけの空間って感じ。

「旦那、そんなにうろたえないでよ、ちゃんと俺様ここに居るから、大丈夫だって」

闇の中が一番得意な俺様と違って、旦那は暗がりの中でキョロキョロと落ち着かない様子だった。


「旦那の目が慣れるまでは待てないから、好きにやっちゃっていい?」

「な…何をするつもり…なのだ…?」

うわー不安がってるー…!かわいー…!


「旦那に、一人でどうやったらちゃんと気持ちよくなれるのか教えてあげるよ。その先は…まぁ追々ってことで」

言いながら、旦那を適当に座らせてその後ろからぎゅって抱きついてみた。
わーヤバイこれ、すっごい落ち着く。
左腕は旦那の腰に回したまま、右手でもう一度旦那の中心に手を伸ばして、人差し指でツゥ…ってなぞって刺激した。

「…っん、っ」

先端をくるくると捏ねるように弄ぶと、俺様に寄りかかった体がピクピクと力んだ。
自分で触るのも、他人に触られるのも、本当に慣れてないんだな…

「ね、どこが一番気持ちいい?」

「ど…どこと言われても…」

「じゃあ俺様が探してあげるから、自分でちゃんと覚えてよ?」

「う…うむ…」


あーあ、俺様に任せちゃうなんて…ほんとにお馬鹿さんだなあ。
右肩がプルプル強張ってる。緊張してるのかな?
右手では旦那のモノを刺激し続けて、後ろから抱きかかえた姿勢のまま、左の首筋に舌を這わせた。
アトを残したりなんてしないよ?
大将に怒られちゃう。

「ん…佐助、さ…すけェ…」

どーしよー手が止まんないんだけどー。
もうぐちゅぐちゅいっててやらし過ぎるよ旦那〜。

「はっ…はぁっ…さすけ、手を…手…どけ、て…」

なに?
イキそうで戸惑ってる?
なら止めるわけにはいかないよ?
耳にちゅってする度にブルって震えてる…ほんとその感度の良さたまらないな。

「さすけ…も…もう…は…っん、んぁあっ…!」



あ、もうだめ俺様、我慢の限界。
旦那の後ろから素早く抜け出して、そのせいで支えを失って仰向けに倒れた旦那に覆いかぶさった。

「あっは、ごめんね急に。なーんか気持ち良さそうだったからさ〜、もっと旦那のイイ顔見たくなっちゃった」

「佐助…っ、これ以上…は…あっんん…っ」


ほっぺに軽くちゅーして、そのまま左耳、首筋、胸元を通ってへそのすぐ横から脇腹、腰骨、そして旦那の熱くなったグショグショの男根にぺろりと舌をまとわせた。

「ここ舐められるの…初めてでしょ?」

わざと先端に唇を触れさせながら話しかけた。
俺様の息が熱いの…ちゃんと感じてる?

「もう、やめろさすけ…っ!くっんあっ…そんな事、まで…あっ」

やめる訳ないよ旦那。
だってその顔、恥ずかしそうですっごくそそられる。

「あぁ…んっあ、ぁっ…ふっ…ハァ、…っ!」

こんな愛撫だけで、もう喘ぐ事しかできないなんて、感度良すぎなのも考えモノ?
こうなると、あえて焦らしたくなるよね。
口いっぱいに咥えこんでたモノをジュルっとひと吸いして口から出すと、旦那が驚いたようにこっちを見た。

「やめろって言うからさ?…それとももっと続けて欲しかった?」

「…!そ、そんなことは…!」

はいはい、嘘だって顔に書いてあるよ。
慌てる仕草も大好きだけど、今は俺様のおもちゃでいてね。
旦那の頭をぽんぽんって撫でてもう一度頬に唇を落とすと、ホウ…と旦那が息を吐いた。
落ち着いた所申し訳ないけど、次に進ませて貰うよ。

「ほんとはここまでするつもりじゃ無かったんだけどさ〜」

「…?佐助、何を…っ」

急に俺様が脱ぎだしたのを見てびっくりしちゃった?
体が強張ったのが暗くても分かったよ。

「今俺様がやってあげた事、独眼竜にやってやりたいって思わない?」

「!?なっ!?」

「旦那さぁ〜気付いてないかもだけど、きっと独眼竜の事そういう目で見てるよね?じゃなきゃ…『この声になんて反応しねェよなぁ?真田幸村ァ…』」

「…!!お前…っ!?」


あーやっぱり。
体は正直だねぇ…。


「ただの声真似だよ。似てるでしょ?」

「し…心臓に悪いではないか…!」


あ、それは俺様傷付いちゃうよ?
自分で何言ってるか分かってんのかなこの人?
それって、胸が痛くなるほど焦がれてるって事じゃない。


「独眼竜も、多分旦那をそういう対象として見たんじゃない?だったらちゃんと、旦那は準備しておかなくちゃね〜」


死ぬほど悔しいけど、事実だと思う。
奥州の右目・片倉小十郎のあの過保護な視線は…俺様のそれと同じだったからね。
あっちもあっちで不毛な感情持ってるってことだ、苦労するね〜お互い。


「し…しかし某も伊達殿も男同士ではござらぬか…!」

「男だって、ちゃーんと受け入れて気持ち良くなれんのよ?…ココでね」

スルリと伸ばした指先で、旦那の蕾をくるりと撫でる。


「ひっ…!」

「さっきイく寸前でやめちゃったから辛いでしょ、ソッチはもう限界って主張してるし、今晩だけは俺様が最後まで面倒みてあげるから、今度は旦那が俺様の舐めてよ」


…まぁ、そんな事しなくたって勃っちゃってんだけどね。
ただ単にやらせたかっただけだよ、ごめんね。

おいでおいでってしたら、案外素直に上に乗ってきた。
羞恥心でいっぱいの表情だけど、きっと興味はあるんだろうな。
目線で促したらアッサリと、だけど少し遠慮がちに口に含んでくれた。
…旦那の口の中…あっつ…


「自分が気持ち良かったとこ、同じようにやってごらん?」

「んぅ…ん…」

口が塞がってて返事出来ないからって、上目遣いでこっち見るのは反則でしょ〜…
しかも先端から出る先走りと、旦那の唾液が混ざってくちゅくちゅ音を立ててるのが聞こえて、余計に興奮してきちゃった。


「ふ…っ、だんな、そんなに裏スジが良かった、の…?」

奇遇だね〜俺様もソコ弱いんだよね〜。
すっかりその気になった旦那の中心が、触って欲しいってピクピクしてるよ?


ねぇ、もうそれ、やっちゃっていい?




...To be continued 




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