Long | ナノ

 04(政宗&佐助)

Side:M&S




なあ、アンタ、こんな時でも涙は見せちゃくれねぇんだな


「随分派手にやられちゃったじゃない、奥州の独眼竜ともあろうお人が」


負けをまざまざと突き付けるんじゃねぇよ


「・・・先に逝っちゃうの?俺様置いてけぼりか、淋しいことしてくれちゃうね」


文句ならてめぇの主に言えよ、俺は、アイツに負けたんだ


「うちの大将と本気でぶつかれるのなんて、政宗しかいないのに・・・これからつまらなくなりそうだよ」


んなこたぁ、最初から分かってた事じゃねぇか
それでも決着を望んだのは俺達だ。
悔いはねぇ・・・俺はな。


「死ぬほど悔しいって顔してる」


最期にお前に看取られんのが悔しいんだよ、馬鹿
・・・未練が残っちまう


「六爪と、政宗は、ちゃんと右目の旦那に連れて帰って貰うから、安心しなよ」


首は取らねぇってか?
てめぇらどれだけ俺を侮辱すれば気が済むんだ


「でもお願い。その眼帯だけ、俺様にちょうだい」


Ha…形見なんざ、らしくねえな?
こんなもんどーするってんだ…ま、好きにすりゃいいさ、軽くなって丁度いい。


「あ、笑わないでよ。俺様いつになく真剣よ?」


そら珍しいこった
…つーか、俺、ちゃんと笑えてんのか?


「頭あげてよ」


無茶いうな、声も出ねえってのに


「・・・ねえ」


んだよ


「・・・次は、どこで逢おうか」


・・・さあな


「決めたら、報せに来てよ。もう、自由に動けるようになるんだからさ」


小十郎も、追ってこれねぇしな


「これからは右目の旦那に邪魔されなくて済むね」


Shit…考えてる事同じかよ…


「俺様がそっち行く時は、政宗が出迎えてくれるんでしょ?」


馬鹿言え、なんでこの俺がそんな真似しなきゃならねぇ
当分、来るんじゃねぇよ


「それで、もう一回…今度は平穏な時代に生まれ直そうか、2人で」


・・・悪くねぇな
つまんねぇ時代でも、アンタがいりゃ飽きないで済みそうだ


「きっと沢山待たせる事になると思うよ。大将が離してくれなさそうだ」


だからしばらく来るんじゃねぇって


「ソッチで浮気しないでね?」


アンタはコッチで盛大に浮気しな
いつかアンタが閻魔の前に立った時、それを理由に弄り倒してやるよ


「ねぇ・・・政宗」


・・・なんだよ


「政宗・・・まだ聞こえてるの?」


・・・たぶんな


「次の世で逢えたら・・・もしも、その時政宗が覚えてくれていたらさ・・・」


早く言え。
もう・・・時間が無さそうだ


「もう一回、聞か・・てくれ・・・と、嬉・・・いな・・・」



・・・よく聞こえねえ

ちゃんと話せよ、さいご、だろ??




「                         」








・・・・・・・・・・・・・・・・・・・Shit

Time up…だな


アンタの声くらい、餞別に貰っていってやりたかったぜ

これからアンタは、どれだけのもんを見て、聞いて、感じるんだろうな
あとでたっぷり聞かせろよ?
それまで悠々と世界ってもんを眺めていてやるさ

真田幸村には、アンタしかいねぇんだ、しっかりついててやれ

小十郎には、頼もしい奴らがついてくれてる

次の世で逢えるまで、ちゃんとお前が見ててやるから

逢えたらちゃんと、お望みの言葉で口説いてやるから



だからアンタは、「me too」って言えるようになっておけよ?



・・・俺を見つけてくれること、期待してるぜ、

佐助。




To be contnued...




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