新しい刀剣の話


「博多くんが来るらしいですよ一期さん」
「なんと。生活用具一式用意しないといけませんな」
「今から政府に注文掛ける?」
「ええ、是非そうしましょう」

「言っとくけど君たち、博多くんの実装時期すら分かってないからね?」


何故か本丸からでも現代のツイッターに繋がるらしい、愛用のスマートフォンでTLを遡れば、公式アカウントから新しい刀剣男士の情報が投下されていた。粟田口兄弟の一人、博多藤四郎。福岡に由来のある粟田口短刀だ。ショタメガネ美味しいですとか思ってないです、ありがとうございます。

「いやー、でも前の浦島・長曾祢兄弟の時も、全身情報開示されてから実装は割と近かったから、そろそろかなあって。今度はドロップ教じゃ無くって、普通に鍛刀で出てきてくれると嬉しいんだけどね」
「そうですなあ。夜戦が強化されてしまって、現状第1部隊では池田屋の突破は難しいですからな」
「そうなんだよねえ、おかげで戦績は5-4止まりだし」
「……もし、こんな話をしたせいで、新ステージでのボスドロとかだったら泣くかも知れない」
「粟田口短刀部隊育成強化待ったなしですな」
「それな」

粟田口は天使と、ブラウザ版からも言ってはばからなかったが、地元福岡に由来があるというのなら、なおのこと正座待機! せずにはいられない! というやつである。

「せっかくだし、博多くんが来たら水炊きでもしたいねえ」
「水炊き、ですか」
「そうそう。季節的に熱いけど、やっぱり大人数揃ってたら鍋物がやりたいかな、博多の郷土料理でもあるし」
「それはそれは、博多も喜ぶでしょうなあ」
「だと良いなー」

まだ見ぬ粟田口の一振だが、楽しみだ。

「……楽しみなのも良いけど、とりあえず今日の日課を終わらせようか、主」
「そうだねー……頑張りますかっとー」



後日
「一期さん一期さん! 博多くんは期間限定イベントで入手確実らしいですよ!」
「なんと! 仕事の定時上がり待ったなしですな!」
「全くだね!」

「君たちは博多くんを心待ちにしすぎだと思うよ……」
「ちなみにそこで呆れてる光忠さんもステージ具合によっては出陣なのでよろしく!」
「だと思ったよ……やれやれ、やるからには任せてくれよ」
「ふふー、頼りにしてますー! 仕事の都合上少しくらい無茶な出陣も出来るように資材と手伝い札貯めまくっておこうっと。イベントまでの目標は、いかに資材を溶かさずレベル上げできるかだね! 目指せ相模の真髄検非違使出てこないフィールドっ」
「あまりに長曾祢さん出てこなさすぎてとうとう諦めたの!?」
「やだなあ博多くんが優先なだけですよ?」
「歪み無いっ……!」

本当に検非違使出なくなったから相模怖い。
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