増える知り合い



「なまえー!暑いからツナん家行こ!」
「どういう理屈でだ」


6th.増える知り合い


そんな感じでゆうこに半ばというか完全に強制されてツナの家にやってきましたなまえです。…いやまぁツナと逢えるのは嬉しいのですよ?ただ、ゆうこに強制的に連れてこられているというこの現状が嫌なのですよ。

「…やっほーツッ君おっはよー!」
「今は昼だよゆうこちゃん」

ををっ、冷静なツッコミ!さすがツッコミのツッ君!

「…それで、今日はどうしたの?なまえちゃん、ゆうこちゃん」
「暑いからツッ君家で涼もうかと思って!」
「ごめんねゆうこが迷惑かけて」
「う、ううん!全然大丈夫だよ!むしろこっちが迷惑かけるかもしれないけど…」

その言葉に首を傾げる私とゆうこ。けれどゆうこは合点がいったのか、ああ、と頷いた。

「ちびっ子ちゃん達が居るんだね!」
「まぁ、ね…」

曖昧な返事は、おそらくちびっ子だけじゃないからだろう。…たとえばビアンキとか。

しかし…一ヵ月のブランクは大きいもので、そう、たった一ヵ月なのに、まるで置いていかれたような錯覚に陥る。
一ヵ月、ゆうこと会わず、キャラと関わらず生活してきた報いなのか。
自分の知らない一ヵ月が、今は、こんなにも、

「…なまえちゃん?…大丈夫?」
「………え?」

ふ、と気付けば、ツナに顔を覗き込まれていて、私は顔に熱が集中するのを感じた。
…ヤバいよこれどこの少女漫画!?何私乙女ってるの!

「だ、大丈夫!ちょっとボーッとしてただけだから!」

それより早く入ろ、と、私は半ば強制的にツナの家に上がった。



かちゃり、と開けられた扉の向こう。そこは小さな保育所状態でした。

「あ、ツナ兄とゆうこ姉だ!」
「あら、ツナ、お客はゆうこだったの?」
「ガハハー!ランボさんゆうこと遊ぶんだもんねー!」


…そうかゆうこの逆ハ体質はここまでか
軽くため息を吐きながら、幾度か訪れたこの部屋が異空間のように見えることに軽く現実逃避しかけた。

「……あれ?ツナ兄、そっちの女の人は誰?」

…気付いてくれてありがとう、フゥ太君…!
……私ってそんなに存在感薄かったかな。

「えっと、友達のなまえちゃんだよ。ゆうこちゃんの幼馴染みなんだ」
「初めまして。ゆうこの幼馴染みのなまえです。よろしくね」

ツナの紹介に便乗するように、軽く自己紹介。私が自己紹介すると、皆も答えてくれた。

「僕はフゥ太!なまえ姉って呼ばせてもらうね!」
「私はビアンキよ。よろしく、なまえ」
「俺っちはランボさんだもんね!」
「で、この子がイーピンって言うんだ」

イーピンちゃんはツナが紹介してくれた。ぺこりとお辞儀をするのが可愛い子だ。

「うん、よろしくね、フゥ太君、ビアンキさん、ランボ君、イーピンちゃん!」
一気に知り合いが増えました!



(フゥ太君フゥ太君!なまえの好きな人ランキングしてみて!)
(任せてよゆうこ姉!)
(うわぁぁぁ二人ともちょっとタンマぁぁぁぁ!)


この後必死で止めました。


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