×
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -



幼馴染の精一杯

 




彼にとって私はただの幼馴染み

彼女でもなければ友達でもない

"幼馴染み"と言う部類に振り分けられる存在

そんな関係も嫌いじゃなかったのに





『ん』

「この手は何じゃ??」




一人の少女は無言で一人の少年の前へ手を差し出す。

その手を見て首をかしげる彼に
催促するように手を動かし何かを待つ彼女。




『"この手は何??"じゃないから』

「手でも繋いで欲しいんか??」(笑

『変態』


「ククッ、相変わらず酷いのぅ」

『もういい、帰る』




喉を鳴らして笑う彼は分かっていないのか
分かっていて分からない振りをしているのか
彼女を弄って遊んでいるようだった。


今は授業も全て終わり放課後。

本当なら部活の時間だが2人とも部活は休み。

そして、誰も居ない教室に2人っきり。


今日はホワイトデーで彼女は彼からのお返しを少し期待していたのだ。




「つまらんのぅ」

『別に、面白くしようなんて思ってないから』




期待に応えてくれなかった為諦めた彼女は
"じゃ"と言うと鞄を持ち教室を出ようとする。

が、彼の手によって引き止められる。




『ちょっ、何??
早く帰りたいんだけど』


「そう言いなさんな
今日ぐらい付き合いんしゃい」

『何で??いつもつるんでる丸井達と帰ればいいじゃない』


「今日は生憎、予定が入っとるらしくてのぅ」

『だからって私につるまないで』

「随分と機嫌が悪いのぅ」




そう言うと彼はグイッと自分の方へ引き寄せる。

彼女は不意に引き寄せられたため
バランスを崩し彼に凭れ掛かるようになる。

それをいい事に彼女を抱き締める。




『っ!!?』


「大人しくしてろ」




ジタバタさせるも彼の手は解けず逆に力を込められる。

耳元でそう呟かれた彼女は一瞬にして大人しくなる。




『・・・・・・・・・』

「・・・・・・悠那は俺の事、どう思っとる??」


『詐欺し、変態、女誑し』

「いや、そうじゃなくて」(汗


『・・・・ただの幼馴染みでしょ??』




そう答えると彼の力は弱まった。



次→


[back]
[top]