×
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -



初めての嫉妬心

 




しばらくして動きが止まると
壁にもたれかかるようにその場に座らされた

辺りからは人の声も聞こえず静かな場所で
彼から解放されたのでゆっくり顔から手を退けようとした

待ちきれないとでもいうかのように
彼は私の手首を掴み強引に退けられる

次の瞬間には息苦しさを感じた




『んっ・・・・・・ヤ・・・・』




急にキスをされ反射的に彼を拒む

別に嫌なわけじゃないど恥ずかしくて
涙ぐむ顔を見られたくなくて
少しだけ彼を押し返す


その行為が気に食わなかったのか
息ができないほどさらに深く唇を重ねられる

解放される頃には耳まで真っ赤にし
目にためた涙が限界を超えて流れ出していた




「そんなに良かったんか??」

『ちがっ』

「どうして逃げようとするんじゃ??」

『・・・・・もう、別れたんだよ??
だから会いたくなかったの』




嘘ばかっり


別れてみて初めて分かった気がする

付き合ってた頃の胸の苦しさよりも
別れた後の胸の苦しさの方が強かったこと

まだこんなにも彼が好きだということ


私の言葉に彼は呆れたようにため息をついていた




「別れたつもりはなかと」

『え??でも・・・・』


「"YES"って言ったか??」




彼の言葉に首を横に振る

確かに返事を聞いたわけではないけれど・・・・

別れようと話を切り出した時
私がその場から逃げ出した後
追いかけてこなかったじゃん

てっきり承諾されたものだと思っていた





「俺のこと好きなんじゃろ??」

『っ!?聞いてたの!!』

「どうなんじゃ??」

『うっ・・・・///』




友達との会話を全部聞かれていたらしく
恥ずかしさのあまりさらに体の火照りが増した

逃げたくても座り込んでいるため動けないし
ましてや未だに握られたままの手首

目を泳がせていると彼は自身へ私を引き寄せた

すっぽり彼の腕の中に収まると
急かすように耳元でささやかれる




「悠那」

『っ!?』




彼の声にドキドキする胸の音

心臓の音が聞こえてしまいそうなくらい早く脈打つ

緊張のあまり消え入りそうな声で私は精一杯言葉を発した




『す・・・き、です///』

「他にもっと言うことあるんじゃなか??」


『え・・・・』




これ以上何を言えばいいかなんて
今の私の働かない思考では考えられない

ただ、離れて行かないよう彼の背に腕を回す




『ごめん・・なさい、別れたいなんて嘘ついて・・・・』




虐めすぎたかななんて言いながら涙ぐむ私の頭を撫でる

そしてまた口づけを交わし彼もまた言葉に出す




「好いとうよ」




初めての嫉妬心


(何で別れようとしたんじゃ??)(言わないとダメ??)(・・・・ま、ええかのう)

この時彼はそう言ってたが、結局友達から彼に暴露されるハメになるのだった

でも、前ほど苦しいという感覚はなくなっていて不思議だった

ただ嫉妬していただけだなんて後になって気づく鈍感な私




 


[back]
[top]