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初めての嫉妬心

 




好きすぎて
側にいるだけでも胸が苦しくなるから

単純に離れてしまえば
胸の苦しみもなくなると思ったのに

一層、胸の苦しみが増すだけだった





「え・・・・、今なんて」

『もう、仁王君とは一緒に居られないから・・・・』




突然、別れ話をする私の言葉に顔を歪める彼

本当に別れたいわけじゃないけど
これ以上一緒にいたら私の心臓がもたない

引き止められる前に彼の前から逃げ出していた


初めは一緒にいるだけでよかったのに
どんどん独占欲が増してきて
心の奥底に芽生える醜い感情

そんな感情が知られたくなくて別れを告げた


でも私の考えは浅はかだったかもしれない


別れたのに胸は苦しいまま
授業なんて頭に入ってこなかった




『ん゛ー』

「何唸ってんの??」

『私、重い病でも患ったのかなーって』

「何言ってんのよ」




今目の前にいるのは私の大親友で
仁王君と付き合っていたことも知っていた

別れた噂は1日にして広まったため
友達の耳にも直ぐに入り
いろいろと質問責めされてしまった




「好きなのに別れるからそーなるのよ」

『だって・・・・』

「"だって"じゃないの
ウダウダするくらいならもう一回言えばいいじゃない」

『そんな勇気、私にあるわけないじゃん』




友達に根掘り葉掘り聞かれたとき言われた

"あんた馬鹿じゃないの"って

確かに今思えばそうかもしれない

でも、恋愛初心者の私には
あの時どうしたらよかったかなんて
分かるわけない・・・・


机に伏せている私にまた質問してくる友達




「で、今は仁王君のことどー思ってんの??」

『まだ・・・・好きだよ』


「ふーん、そうなんだって」




友達の返答がどこか他人事みたいで
口調も少し半笑いな感じがして
伏せていた顔を上げると
見慣れた姿がそこにあった




「今日は逃さんぜよ」

『な、何でいるの!?』




仁王君の姿が目の前にあって
驚きと気まずさから
また逃げ出そうとしていた私

でも、今度は逃げきれず捕まってしまった

有無を言わず抱き上げられると
どこかへ連れて行かれる

友達も止める気はないのか"行ってらっしゃい"
と見送られた


彼と密着する形になっているためか高鳴る鼓動

火照っていく顔を見られないよう手で覆い隠す

すると彼は機嫌がいいのか喉を鳴らし笑っていた



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