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それぞれの想い

 




――−−放課後




会議室には生徒会員が集まり、話し合いをしていた。

実を言うと、彼女もその一人だが、今はいない。




「今日は、以上だ」

「「お疲れ様でした」」




そう言うと、彼等は部屋を出て行く。

一人になった彼は、大きなため息をついていた。


暫くすると、また、ドアが開き、生徒が入ってくる。




『あれ、もう会議終わったの??』

「"もう?"じゃねーよ
1時間以上遅れてんだよ」

『そう、怒んないでよ、跡部君』


「呆れてんだよ」




機嫌が悪いのか、口調が荒い。

この人が跡部景吾、そして私の彼氏。


久しぶりに聞いた彼の声。

口ではそう言っても、彼の態度は怒っているようにしか見えなかった。




「で、遅れた理由は??
忍足と一緒だったんじゃねーの??」


『侑士なら先に帰ったよ
暖かかったから、つい眠っちゃっての』

「そうかよ」




そう皮肉を言ってきたかと思うと、険しい顔で近づいてくる。

すると、私の腕を掴むと強引に引っ張る。




『ちょっ、痛い!!放してっ』

「なら、本当のこと言え」

『本当の、ことだよっ』




嘘だったとしても、彼には本当のことが言えなかった。

だって・・・・


"この事、チクったらもっとズタズタにしてあげる(笑
それにアンタも、すぐに跡部様に捨てられるのよ"


あの時、目撃した女の子から、そう言われたのだから。


幼馴染の彼を傷つけて、目の前の彼を選んだ事。

ほとんどの生徒はこの事を知っている。

そして、妬み、恨まれていることも知っているし、
暴力が絶えない日だってある。

でも、彼を好きになってしまったものは仕方ないじゃない。




「もういい、悪かった」

『っ・・・・、』




自分では気づいていないのだろうか。

必死に嘘をつく彼女は、いつしか涙を流していた。

腕に痣が出来ていることも知っているし、
嘘で誤魔化しても、何かあったかぐらいは分かる。

声色を変えるだけで、彼女の震える手が止まったから。




「何かあったんだろ??」

『わたし、・・・・私は、景吾の彼女でいいんだよね??』

「当たり前だ」


『じゃぁ、・・・・・どうして、他の子と"キス"してたの??』

「あれは、・・・・したフリだ」

『え??でも・・・・』

「細かい事は気にするな」




そう言う彼を見つめると、フイッとそっぽを向かれてしまう。

そんな彼をよく見ると、頬がほんのりと赤くなっていた。


したフリ・・・、わざと私に見せつけてたってこと??

どうして??・・・・嫉妬??

誰に対して??




『ねぇ、誰に嫉妬してたの??』

「っ!?だ、誰でもいいだろっ//」





それぞれの想い


後日、またあの女の子に出会う。
その隣には忍足の姿もあった。


(銀さんゴメンね)(え、どーいうこと??)(あのね・・・)(おいっ!!)(ま、えぇやん跡部、諦めが肝心やで)(チッ・・・)


その子は、今、侑士と付き合ってて、景吾とは幼馴染。
あの時の脅しは嘘で、キス疑惑も芝居だったという事。
侑士に嫉妬したからって、私を試したんだって(3人グルになって)。
でも、本当の想いを聞かされた私は、こんなにも想われてるという事が嬉しかった。





 


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