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一つの我が儘

 




そう精一杯の言葉で伝える彼女




『欲張っちゃいけないの??
一つぐらい我が儘聞いてよ・・・・』




いつも大人な対応をする彼女の
こんな一面を見るのは初めてで・・・・




『でも、・・・・重いって言うなら別れるから』




そんな事を言わせたかった訳じゃない

だけど何が彼女を不安にさせたのか分からなかった




「悠那・・・・・・」




涙を流す彼女の目尻にキスをすると
頬、耳、首筋へとキスをすると最後に唇を重ね合う。




「なんで別れようなんて言うたん??」


『・・・・侑士、私と居て楽しい??』

「楽しいで」


『そう・・・・
ただね、侑士を困らせたかっただけ』

「え・・・・」

『いつも崩さないその表情を歪ませたくって』

「あのなぁ」(呆


『だって、楽しいって言っても表に出さないから
本当に私が側にいてもいいのか、それが不安で・・・・・』




あぁ、やっと彼女のことが解った気がした


俺が彼女に合わせいていた訳でなく
彼女が俺に合わしていた事に気が付かないなんて

いつも様子を窺っていた事も知っていたのに




彼はだんだん震える声で話す彼女を
自分の方へ引き寄せるとまた一つキスをする。


そして彼女は彼の首に手を回すと彼の耳元で"大好き"と呟いた。





一つの我が儘


(ここ、部室なんですけど)(日吉、静かにしろよ)(今いい所なんですから)(クソクソ、侑士の奴め)(俺、悠那ちゃんが忍足と付き合ってるなんて知らなかったC〜)(・・・・・・(汗)


この後、委員会から戻ってきた跡部に声をかけられた事によって
彼等が2人の会話を聞いていたのがバレるのだった。





 


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