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人の噂も七十五日

 




生きることが

どうしてこんなにも

面倒臭いのだろう

ただ、貴方と居る時を除いて





「あのさ、・・・・・〜でさぁ
って聞いてんの??」




明るく元気に私の前で話をする少年

私がただ無言のままで聞いていると
不安になったのかそう聞いてくる彼

聞いているということをニコと微笑むことで示すと
彼はまた話の続きを始めた



いつ頃からだったか定かではないが
私に対して変なん噂が流れていた

私自身、他人と関わることをしなかった

関わったってろくなことにはならないし
ただ面倒臭かっただけ

その所為もあってか初めは付き合いが悪いなんて言われていた

それに口も聞いてくれないなんて噂も・・・・

そして、どんどん噂に尾鰭が付きいつの間にか
喋ることのできない可哀相な人となっていた

ま、それはそれで私にとって好都合であった

誰とも話すことも向こうから関わって来ることも無い

面倒なことに巻き込まれなくてすむ

そんなことを思っていたのだから


だけど目の前に居る彼は違った

喋ることもなくただ聞くだけの私に
毎日のように飽きもせず話しかけてくる

情緒豊かで、まるで百面相をしているように
表情もコロコロと変えている


見てて飽きない面白い子


そんな彼に興味を持った私は
いつの間にか彼に質問していた




『クスクス、毎日私に話してて飽きない??』

「!?・・・・・」




初めて彼の前で声を発した私に目を丸くして驚いていた

すると何故かあたふたし出し
彼の顔は少しピンク色になっていた




『フフ、どうしたの??
私が喋れないと思ってた??』(笑

「いや、そーじゃなくてやっぱお前、綺麗な声してんだなと思って・・・・」


『・・・・・・・??』




"やっぱり"ってどういうことかしら??


私はそう思いながら黙り込み首を傾げ
意味が分からないという仕草をする

すると、その意を察した彼は話してくれた




「お前、人目の付かない所で歌ってただろ??
そん時俺、お前の声聞いててさすんげー綺麗だなぁと思ったんだ」




それを聞きふとある日のことを思い出した




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