黎「・・・殴るとか酷くねぇ??
しかも口ン中鉄の味がする」




独り言をブツブツ呟く黎は
頬を擦りながら血混じりの唾を吐く。

相当強く殴られたのか
口の中は切れ頬は赤く腫れていた。


黎は近くに落ちていたカッターを手に取ると
もう一刃分、カッターを出すと自分の手首に当てた。




「何やってんだよお前!?」

黎「!!?っ・・・・桜井」


桜「手首から血出てんじゃん!?
危ねぇーから、それ貸せ」

黎「つーか、お前が急に声掛けるから切ったんだろ!!」




突然、背後から黎に声が掛かり
ビックリした彼女は当てていたカッターを動かしてしまう。

その為、ちょっとした掠り傷が出来てしまった。




桜「あ、そーなの??
悪ぃーね」(笑

黎「笑い事かよ
用がねぇーならどっか行け」


桜「つれないなぁ〜」

黎「言っとくけど、もう俺等に関わるな」




"いいな??"と念を押して言うと
まだ腫れの引かない頬を押さえ
紅心達のいるコートへ向かう。

彼はそんな彼女の後ろ姿を見つめていた。


コートへ向えば顔色を変えて
彼女のもとへ駆け寄ってくる宝美達。




紅心「どうしたの!?」

宝美「凄い腫れてるよ!!」


黎「あぁ、これ??
ちょっとぶつけただけだ」

紅心「ちょっとでここまで腫れる訳ないでしょ??」

黎「だからぶつけたって言ってんだろ」


「「・・・・・・・・」」



向「おい、聞いたかよ侑士
"ぶつけた"だってよ」(笑

忍「鈍臭いとしか言い様があらへんわ」(笑


芥「痛そうだC〜」

跡「ジロー、あんな奴に同情は要らねぇー
なぁ??樺地」

樺「ウス」


芥「そ、そーだね!!・・・・・・」




彼女が戻って来たと同時に
彼等が近くまでやってくる。

そして冷やかしの言葉を掛けると
また練習をし始める。



 
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