宍「アイツ等遅ぇな」

向「どーせ、サボりだろ??」


忍「来んでもええのに」




ボソッと呟きソファーの辺りを歩いていると
彼の足の爪先にコツンと何かが当たる。

手に取れば掌(テノヒラ)に
収まるくらいの小さな瓶だった。




向「侑士、何やってんだ??」

忍「何でもあらへん
それより、はよせんと跡部に怒られるで」(笑

ヤベッ!?と焦り出す向日達。

手に取ったそれをポケットにしまうと
準備を終えていた彼は先にコートへ向った。


彼の姿がコートへ現れると
周りが黄色い声で埋め尽くされる。




忍「今日も一段と騒がしいなぁ」

跡「相変わらず暇な奴等だぜ」


忍「そー言いながらも嬉しいんとちゃう??」

跡「ハッ、んな訳ねぇーだろ」




興味なさげな2人だが
意外とファンの子達を大事にしている。

そこへ着替えを終えた彼等がやって来る。


彼女達はまだ来ていないが
それを待つこともなく練習は始る。



ボールを打つ度に"キャー!!"と言う声が飛び交う。

その中に感情のこもっていない声が混じっていた。

気のない声援に力が抜けたのか
1人、2人とボールを掠める。




向「お前等、何やってんだよ!!」




空振った向日はそう言いながら
聞き覚えのある声のもとへ向かう。




紅心「キャー、オカッパ頭の子が声掛けて来たよ」(←棒読み)

黎「うわぁ〜、嬉しい〜」(←棒読み)


向「おちょくってんのか!!」




彼の怒鳴る声でフェンス越し彼女達が居ることを知る彼等。

ギャラリーとしてファンの子達と交ざっていた彼女達。

するとファンの子達は彼女達から遠ざかり
コソコソと話し始める。



 
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