黎が眠りについて何十分か経った頃
彼女と同じ考えで部室へ立ち寄る人物がいた。




「コイツが先客とかありえへんわ」




中へ入った瞬間彼が
会いたくなかった人物が目に入る。

彼女を起こそうと開けたままのドアを
大きな音を立て締める。




黎「五月蠅い」


忍「なんや、起きとったん」(笑

黎「お前、屋上から吊したいわ」

忍「やれるもんならやってみーや」




ついさっき眠ったはずなのにもう目を覚ました黎。

起き上がると出入口に立つ彼の方へ向くと
目と目が合うと互いに睨み合い火花を散らす。

しばらくの間そうしていると
彼が何か思い出したように喋り出す。




忍「えぇこと教えたるわ
自分、学校中で噂されとるで」


黎「噂??」

忍「あの桜井に怪我させたってな」


黎「へぇ〜
で、それが何??」




一応は反応するが興味なさそうに言う黎。

そんな態度が気に入らなかった忍足は
舌打ちをしそれ以上彼のことを話さなかった。

"桜井"と聞いて朝の出来事を考えていた。

確か瓶を割った時近くにいた為
怪我をしたのだろうと黎は思っていた。




黎「1時間か・・・・」




彼には聞えないほどの小さい声で呟き
腕を上げ体を伸ばすと立ち上がる。




忍「さっさと出て行きや」

黎「言われなくても出て行くっつーの」




彼の横を過ぎドアノブに手を掛ける。

そして彼が入って来た時と同じように
バンッと大きな音を立てて閉めて出て行くのだった。

ソファーの近くに何か落としていたことを知らずに・・・・。



 
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