思い出したくない記憶
ガシャーンッ
「きゃっ!?」
「「!!??」」
○彼岸花●
「おいっ、何してんだよ!!」
「危ないじゃない!!」
机の上に置いてあった花瓶を払うようにして落とす。
それは大きな音を出して割れる。
動揺する黎、気分が悪くなった蝶花は教室から出て行く。
黎「誰だよ、これ置いた奴
出て来いよ!!」
「「・・・・・・」」
一人一人見ていくが彼等は誰も黎とは目を合わさない。
それどころか後ろめたさが出ていた。
掠れるぐらい小さな声で"知らない"と言うのが聞えた。
また、だ
前にもこんなことあった
何回繰り返されれば気が済むんだよ
――--
"それ『死人花』って言うらしいよ"
"お前等にお似合いだな(笑"
"一層のこと居なくなればいーのにね??"
"私達が手伝ってあげる(笑"
カバッ
黎「ハァッ・・・ハァッ・・・・」
「・・・・・・・」
1人の男の子と目が合う。
動揺している黎は
何かに怯えるように男の子を見る。
困った顔をするが男の子はそっと黎を抱き締めた。
抵抗するも力が入らず黎は涙を流していた。
落ち着いたのを見て椅子から立ち上がると誰かに話しかける。
その話相手はいつも聞いている声の持ち主だった。
紅心「黎、随分うなされてたわよ」
黎「・・・・・アイツ、誰」
紅心「ちゃんとお礼、いいなさいよ
ここまで運んで来てくれたんだから」
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