再開

 



――--




一時の間も過ぎゴソゴソと動き始める暁。

ゆっくりと起き上がれば目を擦り瞬きをする。




暁「ん〜・・・・」




腕を頭上へと伸ばし大きく伸びをする。

腕を戻せば欠伸を一つ。

ベッドから下り、窓の外を見ればまだ遊ぶ姿が目に入った。

年寄りのように若いねぇ〜と呟くのだった。


ドアの方からノックする音が聞こえると、暁の返答も無しに部屋へ入って来る。




「起きたかぁ??」


暁「入れとは言ってないだろ」

「見られたら困るモンでもあるわけ??」


暁「その言い方は相変わらずだな、彪」

彪「どーも」




近くにあった椅子に腰掛ける彪。


何度か彼女の部屋を訪れていた彼。

ぐっすり寝ていた為か起こして、機嫌を悪くされても困るので起きるのを待っていたのだ。




暁「で、何の用??」


彪「伝えたい事があってさ」

暁「伝えたい事??」


彪「そ、一度・・・・玲雫が目を覚ました」


暁「!!?」


彪「でもまた直ぐ眠りについた
それからは体調が崩れる事も無いがピクリとも動かなくなったって」

暁「回復は・・・してんだよな??」

彪「あぁ、心配しなくてもそこは問題無い」




彪の言葉を聞いて安心する暁。

その様子を見て彼も釣られほくそ笑む。




彪「合宿終わったら見舞い、行ってやれよ」

暁「分かった、ありがとな!!」




言い残して部屋を出る暁。




彪「"ありがとな"か・・・・、別に何もして無いのにな」




部屋に小さく聞える彼の声は誰にも聞こえず
少し嬉しそうな表情を見せる彼だった。



 
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