不「全部声に出てるよ。」


暁「なっ///!!?」




暁が顔を赤らめると不二はクスクスと笑う。

でも直ぐ笑顔は消えて真剣な顔を為る。




不「ねぇ・・・・君は何を企んでるの?
恵苺に何かする気なの?」




そう言いながらジリジリと少しずつ近付く。

暁は後退り、彼との一定の距離を保つ。


が、壁にぶつかりそれ以上は後ろに行けず、前には不二が傍まで近づいて居て逃げ場を失う。


触れられる距離まで寄ると、暁の両腕を両手で壁に押さえ付ける。




不「女の子に暴力振うのは嫌だけど
只傷つけるぐらいなら、ね??」

暁「放せ・・・・よ。」




前後、左右に腕を動かしても、どんなに抵抗しても握られた手は解けず。

こんなにも男女に力の差が有るんだと思う暁だった。



先ほどまで平常心だった暁だが、次第に呼吸が荒くなってくる。




暁「・・・ちょっ、はな・・・して・・・・。」

不「ダメだよ?それも演技なんでしょ??」




違うっ!!

つーか早く放せよ!!


ヤバイ・・・・

マジで息出来ねぇー


どうしよ

頭ガンガンしてきたし・・・




少し多く息を吸った瞬間暁の呼吸は大きくズレた。




暁「!!?・・はあはぁ・・ッあ・・・はあッ・・・・フッ・・・」


不「え・・・・?」



バンッ!!



「暁!!大丈夫か!?」


暁「はぁ・・・はあッ・・す・・はあ・・・ばッる・・・??」




不二が混乱する中、勢いよく部室の扉が開く。

それは越前ではなく昴だった。



 
[28/121]

[*←前] [次→#]
[目次へ][しおりを挟む]

[back]
[top]