昴「あのままだと、聖に潰され兼ねないですね」

睦「それにしても今回のブラック化、長いな」


誇「あの状態だと元に戻すの苦労しそう」




外野からブーイングの声が上がるものの、
聖の冷めた目つきで睨まれると一瞬にして静かになる。

大石が言い返せないのは、聖の言う事が正論だった為。


ラフプレーをする聖に対して加勢する事も、止めに入ることもなく自分のプレーをする彪。

止めに入ったとしても、今の聖を止めることは困難と判断した為。


そして、試合が進むにつれて、大石の体に傷は増えていく。

それが耐え切れず、途中棄権をする菊丸。




聖「割と早かったな、途中棄権」(笑

菊「お前、大石が大怪我したらどーすんだよ!!」

聖「俺が知ったこっちゃない」

菊「なんだとっ!?」

大「英二!!」


彪「気付いてないのはお前だけだ」

菊「え??」

聖「ムキになって俺に構うから、お前の相棒が傷ついたんだぜ」(笑

彪「そーいうこと」




"お疲れー"と軽く挨拶すると、コートを出て行く聖と彪。

彼等も自分達の仲間のもとへと向かう。




手「大石、大丈夫か??」

大「なんとかな」


桃「ラフプレーなんて卑怯っスよ!!」

大「そうかもしれないが、英二の攻撃を全てカウンターで返されていたんだ」

河「それってつまり・・・・」

乾「英二を挑発させ、彼自身を狙うよう仕向け、打ち返した球の力をそのまま利用したんだ
大石は、球のスピードに目はついて行けても、体がついて行けなかったんだ」




一方




聖「だりぃー」(疲

彪「何が"だりぃー"だよ
今日のお前超扱いづれぇー、俺が疲れたわ」(怒


誇「荒れたプレーしてたな」

聖「うっせー
つーか暁は??」




一面見渡すが彼女の姿は見つからない。

すると、"誰か探しているの??"と
求めていた声とは違い、甘ったるい声が聞こえてきた。

声がする方へ振り向くと、女の子らしさを目一杯表現する藤原の姿があった。




藤「お疲れ様ですぅ
すごく強いんですね!!
感激しちゃいましたぁVv」

聖「別に、つーか邪魔」




近寄ってくる藤胎を荒々しく押し退けると、暁を探しに行く。

そんな彼を残念そうに見送ると、
気持ちを切り替え、近くに居る誇鶴達に話しかける藤胎。

そんな彼女の姿を見かけた青学と六角の彼等は
話に加わる為、彼女に寄り添ってくる。




手「恵萌、今までどこにいた??」

藤「ドリンク作ってたんだよ」


葵「一人で??」

藤「っ!?・・・・そう、だよ」

海「またかよ」


樹「姿も見えないのね」


藤「暁ちゃんは悪くないの!!
わ、私がもたもたしてたから・・・・」


「「(暁、早く戻ってこいよー)」」




彼等と藤胎が居れば必ず暁の話題になる。

そして、藤胎は暁を無理に庇い、悲劇のヒロインを演じてみせると、
彼等は暁を罵り、涙を見せる藤胎を愛おしそうに宥める。


彼等のやり取りを面倒臭そうに見ていた誇鶴達は、
暁が戻ってくるのを待っていた。



 
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