失いたくない

 



――--




どうして??

どうしてなの?!

何でアイツばっかり気に入られるのよ!!

アイツより私の方が可愛いんだからっ!!




「許さない・・・・・」




216号室、部屋には藤胎一人で小さな声は誰にも聞かれずに消える。

そして、目には怒りと憎しみを浮かべていた。


あれから1日が過ぎ、合宿2日目の朝となっていた。


暁の計画は半日も持たず
氷帝、立海ともに彼女と親しくする。

もちろん、風蘭の昴達も。

上手く行かないとは思っていたが
ここまで我慢出来ないほど藤胎を嫌う彼等。

そんな彼等を見て諦めた暁は
いつも通り接してくれればいいと伝える。

その途端に和気藹々と睦まじい様子を
敵視している彼等に見せつける。


青学は彼等の変化に驚くも裏切られたと
心を痛め藤胎と同様に憎しみの感情へと変えた。

六角も泣き縋る藤胎の姿を見て彼等に荷担する。


そして少女は



「どうやって振り向かせようかしら・・・・」



思考を巡らせる



「いいえ、裏切り者は要らないわ」



不敵な笑みを浮かべ



「私を愛してくれないのなら壊してしまえばいい」



最後にそう呟いた




愛され方を知らない

操り師

そんな操り師は

自分なりの愛情を

マリオネットに注ぐ

けれど

愛情を受け入れない

マリオネット

そして操り師の心は

憎しみの闇に包まれた




 
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