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夢と現実

 




貴方と過ごした思い出


それは、他愛もない日常


だけど、その時間に戻ることは出来なかった







28.story
 過去の思い出
    少女と彼







『祐季さん』

『ん??』


『いつも言っていますが、"女の子らしく"してくださいね??』

『煩いな!!別にいいだろ!?』

『その話し方も、きちんと直してください』





リビングで胡座をかきながらテレビを見る少女、祐季。

それを注意する若い男の人。

少女は、今、夏休み中である。




『元々だ、ほっとけ』

『今日は、一段とご機嫌斜めですね??』(笑

『丹栄君が母親みたいなこと言うからだっ』

『アハハ・・・・』(汗




彼の名前は丹栄柊矢(ニナカシュウヤ)。

少女とは小さい頃からのお兄さん的存在だった。


今は雨沢家に仕える、少女のお目付け役だ。


何故か少女は、朝からそわそわとし落ち着きがなく、少しイライラしていた。




『家の中だからって、畏まんな』

『私にも立場と言うものがありますから・・・・』


『立場なんてどうでもいいじゃん』

『そう言われましても・・・』


『別に、誰かに見られるわけじゃないし』


『そう言う問題ではありませんよ』(汗




イライラの原因は、彼の言動にあった。

広いリビングにポツンと少女一人。

そんな少女を構うことなく彼は彼自身の書斎で仕事をこなしていた。

やっと顔を出したと思えば、少女の態度に注意をする。

そのことに腹を立てていた少女だった。


彼は困りながらも、少女の頭を優しく撫でる。

しばらく宥めた後、彼はまた自分の仕事に取り掛かる。

そして、放置された少女は、頬を膨らませていた。


少女、雨沢祐季は財閥家の令嬢。

いわゆる、良家のお嬢様だ。

そんな少女の父親は大きな会社の社長。

夏になると、必ず海外へ長期出張。

少女が夏休みの間は、ほぼ帰ってくることはない。


そのためこの時期は、彼以外の使用人は少女と同じように夏休みをとり、殆ど居なくなる。


相手をしてくれる人が居なくなるため、少女にとっては退屈なのだろう。



 
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