内緒だと言う静穏の表情は苦笑を浮かべていた。
それにつられ宍戸の表情も暗くなるが、
彼の肩を叩きながら"大丈夫だ"と付け加えた。
すると、いつの間にか戻ってきていた妃奈鹿がヒョコッと顔を出す。
妃奈鹿「目、覚めた??」
祐季「え、まぁ・・・・
なぁ妃奈鹿、何で俺ベッドで寝てんの??」
妃奈鹿「貧血で倒れたのよ」
ニコッと笑いながら事実を話さず、嘘をつく妃奈鹿。
"そっか"と疑いもせず納得した様に呟く祐季。
本当に何も覚えてなかった。
仁「・・・・・・・」
ドアに隠れて話を聞く彼は、祐季達には見えていない。
部屋には入ろうとせず、そのままどこかへ行く。
静穏「うち、祐季が起きたって皆に知らせて来るわ」
舞弥「行ってら〜」
部屋を出ると向かうのはロビー。
何となく彼等が居そうなところから向かうと
案の定、彼等はロビーにたむろっていた。
跡「静穏か
あいつ、目を覚ましたのか??」
静穏「ちょっと前にな
心配しなくても祐季にケガはないから」
ホッとしたのか深刻そうな表情が和らいだ。
静かだったロビーも彼等の話声で騒がしくなる。
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