祐季「別に、何も無い」
宍「じゃぁ、何見て「お前等には、関係ないことだ」・・・・」
忍「そないに警戒せんでもえぇんとちゃう??」
妃奈鹿「一から十まで教える必要なんてないでしょ??」(黒笑
「「・・・・・・」」(汗
宍戸の声を遮るよう、祐季が言葉を発する。
妃奈鹿のフォローもあってか、彼等から出てくる質問を適当に受け流し答える。
妃奈鹿が彼等の相手をしている間に、また、その空地を見つめる。
そこは、彼女達にとって見覚えのある場所で、
祐季にとっては、とても大切な場所であった。
祐季「・・・・・」
静穏「(祐季・・・・・)」
「「!!??・・・・・」」
空地の方へゆっくりと歩いていく祐季。
思いにふけっているのか、どことなく悲しげで、
横顔からでもその表情は確認できた。
祐季を見ていると、頬に一筋の涙が流れ、突然のことで驚く彼等。
舞弥も祐季の涙を流した理由がわからず、不安になりすぐさま声をかけていた。
舞弥「祐季、急にどうしたの??どっか苦しいの??」
祐季「別に・・・・なんでもねぇーよっ!!
つーか、もう帰んぞ」
自分でも驚いているのか、急いで涙を拭うと
恥ずかしさのあまり、その場から立ち去ろうとする。
まだ心配しているのか、跡を追いかけ祐季についていく舞弥。
彼等もそれにつられ、帰宅し始める。
忍「男でも泣くんやな」(笑
祐季「うっさい!!」
宍「(でも、奇麗だったよな・・・)」
跡「・・・・・・」
どうしてこんなにも
君を愛しいと
思えるのだろう
「・・・・・・べ、跡部!!」
跡「!?・・・・何だ」
祐季「夕飯、リクエストしてもいいか??」
跡「あぁ」
祐季「やりぃ!!」(微笑
先ほどとは違い悲しい表情はなく、笑顔で話す。
まだ会って数日しか過ぎてないはずなのに
君の全てを知った訳でもないのに
その都度変わる表情に
心を引かれてしまう・・・・
妃奈鹿「残念だね、祐季が女の子じゃなくて」
跡「なっ!!?」
妃奈鹿「クスクス」
密かに跡部の心を読んでいた妃奈鹿。
自分の思った事が少し恥かしいと思う跡部だった。
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