柳の連絡を受け、直ぐに屋上へ駆けつける妃奈鹿達。

屋上の扉を開くと、困惑した柳と真田に、険しい表情をした仁王が居た。


3人の様子を見てなんとなく状況を理解した妃奈鹿と静穏は
祐季の近くまで行くと、仁王から引き離し彼女の体調を心配する。




妃奈鹿「やっぱり一人にさせるんじゃなかったわ」(汗

静穏「元々、様子がおかしい事には気づいてたのにな・・・」



幸「真田、何があったんだい??」

真「・・・・・」

切「その傷、どーしたんスか!?
すんげー痛そうスけど・・・・」(汗

仁「赤也は黙っときんしゃい」




祐季が飛び降りようとした時、助けるために腕を怪我していた真田。




舞弥「ねぇ、何があったの??」

柳「それは・・・・・」


妃奈鹿「立ち話もなんだし、部屋に一旦戻りましょ??
真田君の手当もしないといけないしね」




一旦ベッドのある部屋へ祐季を寝かせ、ロビーにみんなを集める。

静穏は祐季の監視も含めて、部屋に残っていた。




切「本当に大丈夫なんスか??」

丸「折れて、ないよな??」(汗

真「ただのかすり傷だ」

柳「無理はするなよ」




妃奈鹿によって手当てされた真田の腕。

大げさに巻かれた包帯が痛々しく、物珍しそうにする丸井と切原。




桃「でも、何で真田さんが怪我してんスか??」


「「・・・・・」」

菊「屋上で何があったの??」




屋上に居た彼等は口をつぐむ。

ただ、どう説明すればいいか分からず話せないでいた。




妃奈鹿「話しづらいなら、私から説明するわ」

越「その場に居なかったのに分かるの」


妃奈鹿「えぇ、大体のことは分かるわ

自殺しようとした祐季を真田君が助けた、間違いないわよね??」


「「え!!?」」


「「・・・・・・」」




妃奈鹿の一言で彼等は驚きの声を上げる。

屋上に居た3人に視線を向けると、真田の口から"間違いない"と返事が返ってくる。

"やっぱり"と言いながらため息をつく妃奈鹿。




真「・・・・何故、祐季は自殺しようとした??」


妃奈鹿「きっかけは、祐季の大切な人を事故で亡くした事」


「「・・・・・・」」



そして、周りの人間は祐季の存在を否定し続けた


生きることを否定され

大切な人へ会いたいと思う想いが強まり

いつのまにか、無意識のままに


死を求めていた



妃奈鹿「今日が初めてのことじゃないの
今までに何度もあったわ」

「「・・・・・・・」」


妃奈鹿「今は、精神的に不安定みたいだから、同じような行動をとるかもしれない」

舞弥「・・・・・・・」


妃奈鹿「でも、刺激しなければ大丈夫なはずよ」

舞弥「ちょっ、妃奈鹿どこ行くの!?」




"外の空気吸いに"と言い、舞弥の手を取り外へ連れ出す妃奈鹿。

放心状態の彼等を放置して。


そして外に出た彼女達は、祐季の身につけていた鬘を探していた。




舞弥「ねぇ、・・・・祐季は生きていたくなかったの??」

妃奈鹿「それは・・・・分からないわ」

舞弥「・・・・・・そうだよね」


妃奈鹿「祐季がどうしたいのかは祐季本人次第よ
ただ私達は、祐季の傍にいる事しかできないから・・・・」



 
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