29.story
重ねる想い
プルルル・・・
跡「繋がんねぇー」
忍「切られとんとちゃう??」
向「何で俺達まで、祐季を探さなきゃいけねーんだよ」
片付けの後、彼女達が祐季を探して欲しいと彼等にも伝えていた。
そのため、彼等も手当たり次第に祐季を探していた。
忍「機嫌悪いな」
向「別に」
忍「彼女等に頼まれたんやからしゃーないやろ??」
跡「あいつ等の様子もおかしかったからな」
向「・・・・・・」
忍「急にどないしたんやろうな??」
『お願いっ!!祐季探すの手伝って??』
向「(何で、こんなにイライラすんだよ)」
――−−
越「どこ探せばいいんスかね??」
不「手塚なら一人にないたい時、何処へ行く??」
手「さぁな」
越「不二先輩、何か楽しんでません??」
不「そんなことないけど??」
それぞれ学校ごとに分かれ、辺りを探す。
一向に見つかる気配はなく、練習の後のためか、疲れてきていた。
そんな中、祐季の正体を知っている不二は
若干機嫌の悪い越前をクスクス笑っていた。
越「何で、そんなに余裕なんスか??」
不「何でだろうね??」
越「ムカつく」
手「不二は何か知っているのか??」
不「知ってるよ」
越「教えてくださいスよ」
不「クスクス、それよりも祐季を探そう」
「「(一体、どんな秘密が!?)」」
笑みを浮かべながら答える不二。
越前の質問は軽くはぐらかされ、彼等の表情は引きつるだけだった。
――−−
真田、柳も同様に祐季を探す。
そんな中、向かってくる人物から声をかけられる。
仁「何しとるんじゃ??」
柳「仁王」
真「今までどこにいた??」
仁「さぁのぅ」
柳「それより、仁王は祐季を見なかったか??」
真「おい、蓮二」(汗
練習をサボった仁王を目にし、裏拳を喰らわそうとする真田。
が、その拳を柳が抑え、話をそらす。
仁「祐季??いや・・・・」
柳「そうか」
仁「何かあったんか??」
柳「理由は分からないが、妃奈鹿達が探して欲しいと」
仁「・・・・・・・」
真「まぁいい、お前も一緒に探せ
人数が多い方が見つけやすいからな」
怒りも収まったことで、再び辺りを探す。
すると、人影を捉える真田。
真「おい」
「っ!?」
声をかけると駆けるように階段を上がって行く。
その人影を追いかけ、彼等も階段を上がる。
最上階まで到達したのか、彼等の目の前にドアが立ち塞がる。
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