祐季side ――−−
「・・・・・・」
"お前がアイツを・・・・!!"
「っ・・・・・」
どうしてだろう
分かっていても
頬を伝う涙を止めることが出来ない
頭では理解している
過去は変えられないと
過去へは戻れないと
それでも、前へ進められるほど
過去を思い出に変えられるほど
強くもなく、器用じゃない
「・・・柊矢・・・・」
ふと、貴方に会いたいと思うと
溢れるこの想いを伝えたくて
自分をコントロールできなくなる
「もう、いいよね??」
ねぇ、貴方に会いにイっても・・・・
そしたら、私の所為で誰かが迷惑することはないよね??
――−−
後片付けも済み、祐季の様子が気になった彼女達は、あちこちと探し回る。
祐季の荷物がある部屋にも、先に切り上げ寛ぐ立海の彼等のもとにも、彼女の姿は見当たらない。
幸「何かあったの??」
柳生「慌てているようですが・・・」
舞弥「祐季来なかった??」
丸「来てないぜ」
ジャ「何かあったのか??」
静穏「祐季がどこにも居ないんだ」
「「え??」」
彼女達の様子を見て、異変を感じる彼等。
ただ、祐季が居なくなったということには重要性を感じられないでいた。
それでも、困惑する彼女達をほっとけず、力を貸す為、同行する。
切「どこにも居ないって・・・・どーいうことっスか??」
静穏「言葉通りだよ」
幸「まだ、探していない所は??」
祐季が行きそうな場所を次々に口にしていく彼等。
彼女達はもう探したと言いながら首を横に振る。
丸「入れ違いになった、とか??」
妃奈鹿「でも、・・・・・・」
舞弥「もう一回探しに行こ??」
静穏「そうだな」
柳生「でも、慌てるほどの事なんですか??」
妃奈鹿「ちょっと、胸騒ぎがして・・・・」
先ほど祐季が声にした"もういい"という言葉が胸に引っかかり
彼女が居なくなったことでさらに不安を大きくさせた。
妃奈鹿「どう、しよう・・・・」
舞弥「大丈夫だよ」
静穏「心配するより、さっさと探しに行かないと」
「「・・・・・・・」」
表情を曇らせていく彼女をみて彼等も動揺し始めていた。
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