私達はこの次元とは別の世界の住人
簡単に言えばトリップして来たの
何故かはわからないけれど・・・
でも、単なるトリップではなかったの
私達にとってあなた達の存在は、この世界に来る前から知っていた
着いた場所は"漫画"と言う世界の中だったから
いずれかは、帰らないといけないのか
この世界に閉じ込められたのかはわからないけれど・・・
妃奈鹿「だから祐季は、仁王君を拒み続けた」
「「・・・・・」」
妃奈鹿「大切な人を失う辛さを知っているから・・・」
――−−
仁「柳、練習に戻らんのか??」
柳「お前が見つからなかったと言い訳すればいいさ」
仁「ククッ、お前さんでもショックなことがあるとはな」
柳「俺も人間だからな」(苦笑
妃奈鹿は、落ち着いた祐季の様子を見てから練習へと戻った。
その後も、部屋に留まる2人。
仁「柳は妃奈鹿の話、信じるか??」
柳「妃奈鹿が嘘を言っていると思うか??」
仁「そう思えんから、お前さんに聞いとんじゃろ??」
半信半疑で話を聞いていた仁王。
柳「嘘を見抜くのはお前の得意技だろう??」(笑
仁「そう言う問題じゃなか」(汗
柳「では、妃奈鹿の話が本当だとして、お前の気持ちは変わるのか??」
仁「・・・・いや、それはなかと」
柳「事実を知った今は、彼女達にどれだけ形として想いを残せるか
居なくなってしまってからでは、何も伝えられないからな」
仁「さすが、参謀の考えは違うのぅ」
柳「おだてても何も出ないぞ」
"弦一郎には言い訳しておく"と言い残し、柳は練習へと戻る。
残された仁王は、祐季が目覚めるのを待つ。
どんな反応をされようと、彼女の想いを受け止めようと・・・。
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