2人で戯れ合ってると小さな殺気を感じ取った祐季。

その突き刺さる視線の先には睨みつけるような表情をした向日がいた。


原因はこれか、と思いながら近くに居る舞弥と向日を交互に見ていた。




祐季「よし、俺がみっちり教えてやる」

舞弥「やる気満々だね
さっきはキレてたのに」

祐季「気が変わったんだよ
覚えるまで今日は帰さねーから」



グイッ


舞弥「ん??」

向「っ!?」


祐季「(ニヤリ)」




祐季は言いながら舞弥の腰に手を回し
もう片手で彼女の顎をクイッと持ち上げる。

そして、あと数センチで唇が重なりそうな距離まで
顔を近づけるとチラッと向日に視線を向ける祐季。

そんな光景を見て怒りに満ちた表情で
先程よりも鋭く睨み付ける彼。


でも、彼の表情は一瞬にして緩む。




バシッ


祐季「痛っ」

跡「馬鹿なことやってんじゃねぇーよ」


舞弥「え??何??」




軽く祐季の頭を叩く跡部。

状況を理解できずにいる舞弥は首を傾げ困惑していた。




忍「岳人も真に受けとんやないで」

向「へ??」

跡「さっさと部活に行くぞ」




向日もまた状況を理解できず、言われるがままに忍足に引っ張られ教室を出て行く彼等。

舞弥は祐季に"どうしたの??"と聞くも笑ったまま答えてくれず、頬を含まらせ機嫌を損ねていた。




向「ちょっ、待てよ
侑士さっきのどういう意味だよ!?」

忍「自分、祐季にからかわれたんや」

向「はぁ!?」

跡「あいつにそんな気はないってことだ」

忍「にしても、岳人が・・・・なぁ跡部??」(笑

跡「あぁ」




2人に茶化され焦る向日。




向「べ、別にそんなんじゃねぇーしっ」(汗

忍「動揺しすぎやで」

向「だから、違ぇーよ
つーか、他の奴等に変なこと吹き込むなよ」

忍「はい、はい」

向「絶対だからなっ!!」




顔を赤くしながら必死に2人に口止めをする。

この2人も祐季同様に向日をからかって楽しんでいる(?)様子。

そして、怒った向日は先に部室へ向かうのだった。



 
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