あの後、気を失ったように眠りについた妃奈鹿。

そのままにしておく訳にもいかず、無理を言って保健室を開けてもらった。




幸「祐季、どういう事か説明してくれるよね??」


祐季「べ、別に、説明することなんて何もねぇーし」

仁「そう言う割には目が泳いどるのぅ」(笑




強い口調で誤魔化そうとする祐季。

彼女の目線は彼等と合うことはなくキョロキョロとし動揺していた。


黙っていると彼等に問い詰められパニック状態になったのか
"部活しろ"と切れ気味に彼等を保健室から追い出す。

つまらないとでも言うようにブツブツ呟きながら部活に向かう。


彼等の姿が見えなくなるのを確認するとフーッと疲れたように溜め息を吐く。

が、次の瞬間、悲鳴を上げていた。




柳「声が大きい(汗
妃奈鹿が目を覚ましてしまう」

祐季「叫ばずにいられるか!!
つーか、何で背後に居るんだよ!!」




そう、祐季の後ろには何故か部活へ戻ったはずの柳の姿があった。

急に肩を叩かれたため驚いた彼女は叫んでいたのだ。




祐季「早く戻れよ」(汗

柳「用が済んでからだ」


祐季「さっきも言ったけど話すことは何もねぇーからな!!」

柳「フッ、見抜かれていたか」




当たり前だと言うとまた溜め息。




祐季「聞きたいことがあるなら本人に聞け」

柳「無茶なことを言う
本人に聞けないからこうしてお前に聞いているのだがな」




苦笑いする柳。




柳「まぁ、いい
それより、妃奈鹿が起きたら帰るんだろ??」

祐季「そのつもりだけど・・・・・・」


柳「なら、コートへ戻るついでにあいつ等にはもう帰ったと伝えておく
ゆっくりしていくといい」


祐季「ありがと
そうさせてもらうよ」




未だに眠る妃奈鹿の頭をそっと撫でると保健室から出て行く柳。

それを見ていた祐季は一瞬驚くも直ぐに表情は戻り
何かに納得したように微笑んでいた。


この後、彼女達の荷物も持ってきてくれた柳だった。



 
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