閉じ込められた部屋の近くに人の声が聞こえた
それは私の名前を呼ぶ声
この部屋に居る事に気づいてほしくて
只管ドアを叩いた
25.story
必死×動揺×変化
ダンダンッ
妃奈鹿「誰かっ!!」
必死に助けを求める妃奈鹿。
ドアを叩く音に気づいてくれたのか人が駆け寄ってくる音がした。
そして、彼女の名前を呼ぶ彼等の声がハッキリと聞こえた。
「「妃奈鹿!!」」
妃奈鹿「お願い・・・・・開けて・・・・っ!!」
丸「俺、鍵取ってくる!!」
そう言って職員室へと走り出す丸井。
だけど妃奈鹿は未だに扉を必死に叩き続け"開けて"と言うばかり。
その場に残った2人はどうしていいのか分からず落ち着かせようと言葉をかける。
幸「妃奈鹿、落ち着いて」
ジャ「今、丸井が鍵取りに行ったから」
自分達の声が彼女に届いているのかわからないが、叩くことをやめない。
疲れてきたのか叩く音がだんだん小さくなる。
そして、弱々しい声で同じ言葉を繰り返す。
妃奈鹿「開けて・・・・お願い・・・」
「「・・・・・・・」」
柳生「様子がおかしいですね・・・・・」
柳「あぁ」
彼女の異変に気付き始めた彼等は深刻な表情へと変わる。
そこへ、一通り見回ってきた祐季達がやってくる。
切「せんぱーい、妃奈鹿見つかりましたか??」
幸「赤也達か・・・・・・」
真「何かあったのか??」
真田にそう聞かれるとその場に居た彼等は目の前の扉を見つめた。
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