後ろから数人に押さえられ口を塞がれる。
「ねぇ、ちょっと話いいかな??」
「これ、見てわかる??」
耳元で囁かれるその声は女性で少し怒気の入った声だった。
背中には果物ナイフのような小型の刃物を突き付けられていた。
そして、コートから離れ物陰へとやって来る。
彼等は試合に夢中だっだためか気付かれなかった。
連れてきた妃奈鹿を壁の方へ突き飛ばす。
妃奈鹿「っ・・・・・・
貴女達、さっきの・・・・」
やっと解放された妃奈鹿は初めて彼女達の顔を見る。
そこには、先程覗いていた立海の女子生徒だった。
妃奈鹿「刃物なんて持って危ないんじゃない??」
女子2「クス、心配しなくても玩具だから」
そう言って刃物の先をを押すと
柄(ツカ)の中に入り、手を放すと刃が出たりした。
女子3「あんたさぁ〜、切原君達の何なの??」
妃奈鹿「ただの部活仲間よ」
女子1「そんなこと聞いてるんじゃないのよ」
女子3「すこ〜し、痛い目見ないと分からないんじゃない??」
突き飛ばされそのまま座り込んでいた妃奈鹿を引っ張り立たせたかと思うとガラッと近くでドアを開ける音がする。
音がした方へ引っ張られていくと、小さな建物がありそこへ力強く押し込まれる。
押された勢いでまた床に倒れてしまう。
建物の入り口では、彼女を見下すように不敵な笑みを浮かべていた。
女子生徒の笑みで感づいた妃奈鹿は急いで外へ出ようとドアに手を掛けるも少し遅かった。
手が届く前にガチャッという鍵がかかる音がし、ドアはビクともしなくなった。
ダンッダンッ
妃奈鹿「ちょっ、開けなさいよ!!」
女子2「明日も休みだから誰も助けに来ないよ」
女子1「2日ぐらい何も食べなくても死なないでしょ??」(笑
女子3「切原君達と仲良くしてるアンタが悪いんだよ」
高笑いしながらその場を離れていく彼女達。
建物の中は使われていない小さな物置のような場所でドアを叩いても誰も来る気配はなかった。
祐季みたいにドアを蹴破る力なんてある訳もないし・・・・。(←失礼だぞ!!by祐季)
土曜ということもあり生徒もほとんどいない、唯一は昼から部活の彼等が気付いてくれること。
妃奈鹿「お願い、誰かっ・・気付いて・・・・・・・助けて、祐季」
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