宍「あの球・・・・・」

忍「あぁ、切原のナックルサーブみたいやな」

向「あいつ、そんなもん打てんのかよ」(汗


「あれは違う」


「「祐季!!?」」




背後から急に声がしたため驚く彼等。

振り返ればそこには少し体調が回復した祐季の姿があり
彼女も彼等に加わり試合を観戦する。




向「違うって??」

祐季「今のはイレギュラーしただけだ
つっても、狙ってるには変わりないけどな」


忍「呑気に言うてる場合なん」(汗

向「止めなくていいのかよ!?」


祐季「何で止めんの??あいつが悪いんだぜ」

向「何で跡部が悪いんだよ??」




意味が分からないとでも言うように
少し強い口調でそう問い掛ける向日。

でも祐季はなかなか答えず沈黙の時間が流れる。




向「聞いてんのか??」


祐季「・・・・・挑発なんかすっから」

「「え・・・・??」」


宍「ちょっ、おい!!」




そう祐季は言いながら宍戸が止めているにも関わらず
まだラリーの続いているコートへ何も持たず入って行く。


そして向かって来たボールを素手でキャッチする。




跡「おい、試合中だぞ」


祐季「1ポイント取れば終わりじゃなかったのかよ」(笑

跡「うるせぇ」




まるでさっきの彼と彼女の立場が逆になったように
彼は汗だくになり彼女は涼しい顔をして話す。




跡「いつまでコートに居る気だ」

祐季「お前は黙ってろ」


跡「・・・・・チッ」




静穏を見ながら真剣な表情で言う祐季。

そんな彼女を見て跡部はどうすることも出来ずにいた。



 
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