"あんたさぁ、やる気あんの??"

"別に(笑"


"やる気のないなら帰んな"


"お前、糞真面目すぎんだよ"

"はぁ??"


"だから、お前がウザイっつってんの"

"だったら何??"


"・・・・・俺と勝負しねぇ??"

"・・・・・・・・"


"負けた奴は二度とここへは顔を出さないこと"

"・・・・・分かった
いいよ、試合しても"


"せいぜい頑張んな(笑"



ただ彼等とテニスをしてみたかっただけなのに


どうしてこんな時にあんな昔の事が

頭の中を過ぎったのだろう


深く脳裏に焼き付いた記憶

忘れることのないあの時の出来事を





カランと音を立てて地面に落ちるラケットと
崩れ落ちるように座り込んでしまう静穏。

すると、何がおかしいのか急に笑い出す。




静穏「クスクス、アハハッ」

跡「何笑ってんだ??」



向「静穏がおかしくなった??」(汗

「「・・・・・・・・」」(汗



静穏「ククッ、そんなに真面目にやって何の得があるの??」




どこか冷たく、でも無邪気な子どものように彼に問う。




跡「練習でも試合は試合だ
気ぃ抜く馬鹿がどこに居るんだよ」



"たかが試合だろ??
何熱くなってんだよ"




真面目にやっても、手を抜いても

結局は同じこと



静穏「君も、誰かを傷つけるの・・・・・




とても小さく呟いたその声は誰にも届かず風に掻き消された。


そして、落としたラケットを持ち直すと
さっきとはまるで違うフォームで構える静穏。




向「構えが・・・・変った??」



跡「今更やる気になっても後1ポイントで終わるんだぜ」

静穏「ん??それで??」




首を傾げながら言うと高くボールを投げサーブを打つ。


その球は彼の体目掛けて跳ね返った。



 
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