静穏「試合やんないならうちとやろ??
どーせ祐季の奴、へばってるし」




いつの間にか祐季のラケットをもち準備万端の彼女。

ベンチから"勝手に俺のラケット使うな"と怒気のない声が聞こえるもスルーする。


だが跡部はそれを許可せず、マネージャーの仕事をしろと押し返そうとする。




静穏「別にいーだろ
それともうちに勝てる自信、ないんだ??」(笑

跡「ハッ、俺様が負けるわけねぇーだろ」

静穏「そーこないとな」


宍「(俺との試合はどーなるんだよ)」(汗




跡部を挑発し試合が出来るように仕向ける静穏。

そしてまだ始めてもいなかった宍戸との試合は自動的に後回しに。


残された向日達は2人の試合を目の前で見る。




向「あいつ、本当にテニスなんか出来んのか??」

忍「前に祐季の次に強い言うてたけどな・・・・」


宍「本当に大丈夫か??」

忍「なんや宍戸、そんな心配なん??」

宍「そーじゃなくて・・・・
今日、あいつ階段から踏み外しそうになったから」

忍・向「!!?」


忍「・・・・怪我とかしてへんのやろ??」

宍「まぁな」




それを聞いてひとまず安心する忍足。

向日も"ドジな奴"と言い笑っている。


打ち合っている跡部と静穏を見る限り
怪我をしていないのは分かるがどうも気の締まりがない。




跡「おい、やる気あんのか??」

静穏「さぁ〜な」

跡「あのな・・・・・」(怒




試合に誘ったのは静穏だがやる気が全くない。

というより、彼女の暇潰しに
跡部が付き合わされているようなものだった。




跡「やる気がねぇーんなら・・・・」




誰にも聞こえないようにボソッと呟くと右後から左前へと対角に打つ。

静穏はなんとか前に追いつくも返すのが精一杯な為、打ちごろな球を上げてしまう。


すると彼女はハッと思い出したように彼に目をやると同時にラケットは弾かれていた。

そして彼の"破滅への輪舞曲"と言う声とともにボールは彼女の顔を掠めた。



 
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