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少しずつ近付いて行くとやっぱり彼女の姿で、
こちらの気配を感じたのかクルッと振り返る。

彼等は祐季に声をかけようとした途端、
彼女の体は車が走っている道路へと飛び出そうとしていた。

が、真田に彼女の腕を捕られその行動は止められる。


祐季が声を発しようとするも真田に遮られてしまう。




パチーンッ


真「今何をしようとした!?」




乾いた音とともに怒鳴り声が響いた。

祐季の右頬は段々赤く染まっていく。


真田の質問には答えず、その場に座り込んでしまう。


同時に祐季の脳裏にはある記憶が過ぎり、頭痛を引き起こしていた。




バーンッ


"何でアンタが生きてるのよ!!"

"返して、返してよ!!"





真「聞いているのか!!」

仁「真田、少し落ち着きんしゃい」




"ねぇ、聞いてるの??"

"アンタももっと苦しみなさいよっ"

"あの人を殺した・・・・人殺しのくせに!!"





次第に息苦しさからか、胸辺りの服をギュッと握る祐季。




"祐季が・・・・無事で、よかった・・・"

"・・・分・・・まで、生き・・・・"





君に会うたび

心の蓋が緩んでくる


思い出したくない記憶までも

貴方に会いたいと思う感情と一緒に溢れてきた


忘れていたあの日の出来事までも鮮明に脳裏に映し出す


そして一瞬にして罪悪感にかられる




祐季「・・・ゆる、して」



涙は出ていないのに泣いている様に



祐季「お願い、いかせてっ」



揺れ動く瞳で何かを求める様に



祐季「もう・・・十分、でしょ・・・・??」




何かに縋る様に一言ずつ言葉を発した。

その後は意識を失ったように彼女は倒れてしまった。



 
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