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少し時間を遡り、静穏達が彼等から離れた同時刻のこと。


静穏にキツく言われ、放心状態の舞弥。




芥「舞弥、大丈夫??」


舞弥「ん??・・・うん、大丈夫だよ、全然へーき」(笑




彼等に心配をかけまいと、無理やり笑って見せる。

発したその言葉を、自分に言い聞かせるようにして。


笑顔が崩れそうになると、"先、行くね??"と言いその場から駆け出していく。

舞弥の表情に気付いた向日は、心配になり引き留めようとする。




向「おい、待てって」



パーンッ



向「っ!?」

「っ!!」




舞弥の手を掴もうと触れた瞬間、向日の手を払い除け拒絶の眼差しを彼に向ける。

彼等から触れられない位置まで距離をとると、今度は全力疾走でその場を離れていった。




忍「完全に拒否られとったな」(笑

向「うっ・・・」(汗


宍「何だったんだ??」

跡「さぁな」




舞弥の走っていた方向を見ながら彼等は話していた。

拒絶までされ、追いかける勇気はなく、その場に留まる向日。


すると、静穏達が入れ替わりで戻ってきた。


彼等の目線は静穏へ移り、目のやり所に困った静穏は祐季の後へと隠れる。

この場に舞弥が居ないことに気付いた祐季はあえて何があったかは聞かず話を続ける。

彼等の態度から状況を察していた。




祐季「授業も始まるしそろそろ行こーぜ」




"な!!"と向日の肩に手を置いて言い彼を引っ張りながら教室へと連れて行く。

妙にテンションを上げる祐季は向日を連れ先に歩き出す。

置き去りにされた彼等は、静穏と一緒に教室へと向かった。



先に教室に向ったと思われる2人だったが行き先は違っていた。




向「ちょっ、祐季どこ行くんだよ??教室行かねぇーの??」


祐季「その面で教室行くのか??」

向「っ!!?」




人通りの少ない場所まで来ると、向日を解放する。

教室に向かわなかったのは、彼が酷く傷ついたような表情をしていた為。




祐季「舞弥に何か言われたかされたんだろ??」

向「それは・・・・・」


祐季「あんまり気にすんなよ」(笑


向「気にしないほうが無理だって」(汗




溜め息を吐く彼の背中をバシバシと叩く祐季。

彼を少しからかい笑っていたが、しばらくの沈黙後、急に真剣な顔をする。




祐季「あいつが何したかは知んねぇーけど謝っとくよ」

向「何でお前が謝んだよ」


祐季「多分、俺等の所為だから??」

向「疑問形かよ」(笑


祐季「・・・・舞弥のこと心配してくれてあんがとな

だから、少しだけあいつのこと話すよ」



 
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