祐季「(妃奈鹿・・・・??)」




遠くだけど祐季にとっては見慣れた姿だったため、それが妃奈鹿だと直ぐに分かった。

次の瞬間、妃奈鹿はフラつきフェンスに手を掛けると、その場に座り込み倒れてしまった。




祐季「!!?」




妃奈鹿が倒れたのと同時に幸村の打ったボールが決る。

0-1とコールされると"すぐ戻る"と言い残し、突然コートから出て行く祐季。

どこへ行くのかと聞かれても何も答えず少し早足で屋上に向かう。

不安になった舞弥と静穏も後を追い
気になった彼等も数人が後をついて行く。




向「祐季!!どこ行くんだよ!?」

祐季「屋上!!」

菊「何で屋上なの??」




菊丸の質問には答えずさっきよりも速く走る。




静穏「祐季、急にどうしたんだ??」



急がなきゃ



舞弥「祐季ってば!!」



妃奈鹿が・・・・




彼女達の声も全く耳に入いらず、ただひたすらに屋上を目指していた。

扉をバンッと勢い良く開けると妃奈鹿!!と叫ぶ祐季。

それを聞いた彼女達は驚く。




祐季「妃奈鹿!!おい、返事しろ!!」


妃奈鹿「んッ・・・・」




妃奈鹿を抱いた時、体は昨日よりも熱くグッタリとしていた。




妃奈鹿「・・・私、ほんとっ・・体調、悪かったんだ・・・・??」




苦しそうに喋る妃奈鹿。

昨日はそうでもなかったが、風にあたっている間に熱が上がったようだった。


祐季と呟くと服をギュッと掴むと目を閉じる。

苦しさからか一筋の涙を流していた。




不「どうして妃奈鹿がここに居るって分ったの??」

祐季「試合中に屋上に居るの見えたから」




簡潔に答えると祐季は妃奈鹿を抱き抱えマネージャーの部屋に連れて行く。

彼等には練習へ戻るようにと言って。



 
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