お願い、何処にも行かないで
お願い、ずっと側に居て
生きててごめんね??
14.story
合同合宿編
そのF
カバッ
「ハァ・・・・ハァ・・・・」
汗を拭いながら呼吸を整える。
周りを見回しても誰も居ない。
そして時計を見れば昼の3時。
日付も翌日になっていた為、約1日寝ていた事になっていた。
知らぬ間にベッドで横になり、眠ってしまっていた妃奈鹿。
祐季の姿もなく、机の上には飲み物と果物が置いてあった。
"先に行く"と書き記した置手紙を残して。
「起こしてくれればいいのに・・・・」
果物と言っても皮も剥いてないそのままのリンゴ。
しかも皮を剥く道具も無い。
「丸ごと食べろって事かしら??
どうして、こんなに・・・赤いのかしら・・・・」
いや、イヤ、嫌!!
どうして??
どうしてなの!!?
「祐季・・・・・」
そう呟いた後、外の空気を吸いに部屋を出る妃奈鹿だった。
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