この小説は蘭丸sideです




俺は部活の休憩中、思い出した…4歳の頃の、昔の記憶を……



「蘭丸の髪色は桜みたいで綺麗だね」
「こんなかみ、きらい!」
「どうして?こんなに綺麗なのに…嫌いになる人なんていないと思うけどな」
「だって、みんながおれのことおんなだっていうんだ!!おれはおとこなのに……っ」


あの時、俺は泣いてしまったんだ。皆から女みたいだと言われるのがとても嫌で嫌で、仕方がなかったんだ……


「それは周りの子達がおかしい」
「……えっ?」


いきなり姉さんがそんな事言い出したから、俺は焦った。まさか周りの子供をおかしいと言うとは思わなかったから…


「蘭丸にはこの髪色が似合ってる。他の色に変えたら蘭丸じゃなくなってしまうよ!」
「ねえちゃん……」
「私ね、蘭丸のその桜色の髪色になりたかった。私はこの髪色が嫌いだからね…」
「ねえちゃんのかみのけ、おれすきだよ!あれだよね、えっと……れんげそう?っていうはなのいろとおなじだ!!!」
「蓮華草?私の髪色が、蓮華草……」


俺がそう言うと、姉さんは弟の俺も惚れるぐらいのとても綺麗な顔で笑ってくれたんだ


「ありがとう、蘭丸。蘭丸のおかげで自分の髪色が好きになれそうだよ((ニコッ」
「うん!!おれもじぶんのかみのけすきになる!!そしたらおれとねえちゃん、すきどうしだよね!!!」
「そうだね!!」


この記憶は、10年経った今でも…忘れる事のない記憶になったんだ……



「霧野、休憩時間はもうとっくに過ぎてるぞ!!」


俺は神童の一言で我に返った


「す、すまない神童!!」
「どうした?上の空だったぞ…珍しいな、お前がボーっとしてたなんて」
「ちょっと昔の事を思い出してたんだ…」
「昔の事?」
「気にしないでくれ!!」
「……分かった」


俺が昔の記憶を思い出したのは理由があった
何故なら今日、姉さんに会えるから
姉さんは昔からサッカーが大好きだった
俺も昔からサッカーは好きだったが、サッカーをしている姉さんの姿がとても綺麗でもっと好きになったんだ
姉さんはサッカーがもっと上手くなりたいと言う事で、サッカー留学をする事を決めていたみたいだ
勿論、あの頃の俺は大反対
大好きな姉さんがいなくなると思ったからだ
だけど姉さんは……


「蘭丸、ごめんね?だけど私、もっとサッカーが上手くなりたいの!
上手くなって、蘭丸とまたサッカーがやりたいんだ!!」


その時の姉さんの表情は、辛そうだった…
俺の事、ちゃんと考えててくれてるんだと思って嬉しかった
だから俺は、姉さんを笑顔で送り出してあげようと思ったんだ……


〜そしてその日がやってきた…〜



「ねえちゃん、がんばってね!!」


俺は上手く、笑顔で姉さんに頑張ってと言った
だけど姉さんは凄いな……俺の事、何でも分かってたから


「蘭丸、無理して笑わないで?無理して笑う蘭丸は見たくない……だから、悲しいなら泣いても良いのよ?」


姉さんの言った言葉で、俺の涙腺は崩壊した


「…っいっちゃやだぁーーー!!ねえちゃんといっしょにっ、いたいよぉーーー!!!!」


涙と鼻水でぐしゃぐしゃになった俺の顔にそっと触れ、おでこや目尻、鼻、頬、そして最後に唇に軽く優しいキスをしてきた


「これでお別れじゃないから……」
「ひっく…ほんと、う?」
「うん、本当((微笑」
「うぇっ……じゃあ、やぐそく…して?」
「うん、良いよ」
「もどってきたら、ギューってだきしめて?でね、さっきみたいにチューしてくれる?」


今思えば、俺はなんて大胆な事を言ったのだろうか…////
でも、姉さんはどんな約束を守ってくれる
だからこんな事を言ったのだと俺は思ってる


「うん、良いよ。約束ね!!」


そう言って姉さんは飛び経った……




ー空港ー

「蘭丸、覚えてるかな……」




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