学校は嫌い…だって騒がしいから……煩くて絵も描けない
私はあまり人と関わらないから、友達が1人もいない………忘れてた、2人いたな…
別に友達が欲しいとは思わない、今のままで十分だ


「「「キャ――――――――//////!!!!!!!!!」」」


また始まった…女子達の叫び
毎日煩くてイライラする……どうして女子達が叫んでいるかと言うと…


「よぅ、可愛い天使さん達♪((ファサッ」
「「「南沢く――――――ん//////!!!!!!!!!!!」」」


同じクラスのイケメン(私はそうは思わない)君が来たからだ
南沢篤志…成績優秀、スポーツ万能、おまけにイケメンらしい……
女の心を弄ぶ悪魔だな、アイツは…
一番最悪な時間は…その南沢篤志と席が隣同士だと言う事だ
周りの女子は私を睨んでくる…当たり前か、皆コイツが好きなのだから
南沢とは1度も話した事が無い、むしろ一生話したくない
早く昼休みになってくれないかと願うばかりだ………


「………………」


―昼休み(屋上)―
「やっと解放された……」
「お疲れッス、なまえさん!!」
「お疲れ様です♪」
「ありがとう…水鳥、茜」


私の唯一の友達、2年の瀬戸水鳥と山菜茜。水鳥は凄く明るくて何か楽しい…茜はいつも周りに花が咲いている。写真を撮るのが好きらしい…


「なまえさん、絵は描けましたか!!」
「ごめん、下書きすら描けてない…ずっと空を見てたからな」
「なら今描いてください!その姿を写真に納めます♪」
「茜、君は相変わらずだね…なら、ご飯を食べ終わったら描こうかな…」
「「ヤッタ――――――――!!!!!!!」」


はしゃいでる……子供みたいだな…でも、2人の笑顔を見るのは好きだ……!そうだ


「2人を描こう……」
「え!?あ、あたし達をですか!?」
「嬉しいです♪」


描いたら2人にプレゼントしよう…うん、それが良い
弁当は早く片付けて、私は絵に執りかかった
私は1つの事に集中すると、周りが聞こえなくなる。だから水鳥と茜に毎日チャイムが鳴ったら教えてもらっている


ガチャッ


「何だ、先約が居たのか……」
「げ、南沢さん…;;」
「二人とも、何をしているんだ?」
「あ、神サマ!!後、霧野君たち……」
「俺たちはオマケかよ!?」


何だか騒がしいな……まぁ、後から静かになるだろう…


「何でサッカー部が此処に居るんだよ!葵を除いて」
「酷いです、水鳥先輩;;朝練の時に、皆で一緒にご飯を食べようって事になったんです!!」
「別に良いけどさ…なまえ先輩の邪魔だけはすんなよ。したら殴る(^言^)」
「「「はい……;;;;;;;」」」


私は絵に集中していると、誰かが近づいてきたのか私の上が影で覆われた
風に吹かれて甘い匂いが鼻先を擽った。私はこの匂いを知っている…この匂いは……


「お前か、南沢……」
「正解、よく分かったな…なまえ」
「気安く名前を呼ぶな。席が隣だから甘い匂いで分かっただけだ」
「ふぅ〜ん……何描いてんだ?」
「水鳥と茜だ…」


こいつに名前を呼ばれた……頭がおかしくなりそうだ…


「水鳥先輩、あの人は……」
「あの人は3年で南沢さんと同じクラスのみょうじなまえ先輩。成績優秀、スポーツ万能、オマケに容姿端麗!!あたし等の憧れの先輩だ!!!」
「結構男の子に人気だよ♪」
「…もしかして、毎日焼却炉にいる人ですか;;?」
「「「え;;;;;;;;」」」


焼却炉は確かに毎日行くな……靴箱に入っている手紙を燃やしに
ハートのシールで閉じられた手紙や、果たし状のようなものだったり…後は『死ね』とか『南沢君に近づくな』とか、書かれている手紙が毎日入っているからな……
早く絵を仕上げたかった私は何も答えず、絵に執りかかった


「後輩が聞いてんだ、答えてやれよなまえ…」
「今忙しい……((サラサラッ」
「質問よりも絵が大事なのかよ」


煩い…アンタには関係のない事だろ……


「そうやって人と関わろうとしないから友達が1人も出来ないんだよ」
「止めて下さい、南沢さん!!あたし等がなまえ先輩の友達です!!!」
「だが同級生となったら誰もいない…事実だろ?」


そうだよ…南沢の言う通り、友達は後輩2人だけ……同級生の友達なんて誰もいない…
昔からそうだ………私はずっと、一人ぼっち…


「出来た…はい、2人とも((スッ」
「ありがとうございます!!!うわ―――っ!!やっぱなまえ先輩、絵上手いッスね!!!」
「スケッチブック、丁度2人を描いて終わったからあげる……教室戻るね((ムクッ」


私は気分が悪くなり、教室に戻る事にした…
ふと、私は南沢に言いたい事がありドアノブを持ちながら、後ろを振り返った


「南沢、1つ言っておくけど…私さ、同級生に嫌われてるんだよ。だから友達になるとか無理…嫌いな奴と友達になりたくないだろ?それだけ…」


私は言いたい事を言ったので、教室に戻った…



〜南沢side〜
「……南沢さんの所為で、なまえ先輩の微笑み見れなかったじゃないですか!!!」
「どうしてくれるんですか…写真に納められなかった」
「悪かったよ…アイツ、嫌われてたんだな……」
「クラスメイトなのに知らなかったんですか!?ハァッ、呆れましたよ…」
「瀬戸、今の言葉物凄く傷ついたんだが?」
「知りませんよ……なまえ先輩の事知らないくせに、よく好きだなんて言えますね…」
「そんなの俺が一番自覚してるさ……」


瀬戸の言う通り、俺はなまえが好きだ……
1年の頃に初めて一緒のクラスになった時は席も遠かったから話とか全然しなかった
腰まである綺麗な黒髪に、大きな紅い瞳…そしてスタイル抜群
だが、一人ぼっちのアイツは何だか不気味だった……普通、寂しいとか思うはずなのにアイツは全然そんなんじゃなかった
クラスからも浮いていた所為か、俺もなまえの事は好きでは無かった…あの時までは……


俺は部活の帰り途中、河川敷に寄った…何故か行きたい気分だったからだ
河川敷に辿り着くと、誰かがベンチに座りながら何やら絵を描いている女子がいた
なまえだった……なまえはサッカーをしている子供達の絵を描いていたのだ
絵が完成したのか、顔を上げた。それと同時に子供たちがなまえの傍によって絵を覗いた


「すご――――――い!!!!!!」
「絵が生きてるみた―――い!!!!!」
「姉ちゃん、絵が上手だね〜〜〜♪」


子供達がなまえを褒めていた。こいつは何を言っても無表情に答えるから、無表情で答えるな……そう思っていたが…


「ありがとう…((微笑」


その時、誰も見た事のない優しい顔で子供たちに微笑んだのだ…
その微笑みで俺の心臓はドクンッと跳ねた……その時俺はとても信じられなかった…
その日を境に、なまえを見るだけで鼓動が速まった……なまえに会えなくても、あの時見た優しい微笑みを思い出して顔が熱くなった……
俺はもう、あの微笑みを見た時から……なまえが好きになったんだ


「教室に戻ったら謝るよ……」
「そうしてくれないとあたし等が許しません」


アイツは俺の事、嫌いなはずだ……だからまた拒否られるかもしれないが、謝りたい。そして、アイツに俺の気持ちを伝えるんだ………
〜南沢side終わり〜


―放課後―
「やっと終わった……」


今日も楽しくない学校生活が終わった…教室には誰もいない。なぜならクラスの全員が帰るまで待っていたからだ
全員が帰る時間を待つのは好きだ…だって綺麗な夕日が見れるから…
帰る準備をしていたら、突然教室のドアが開いた……入ってきたのは南沢だった…


「よう、まだ帰ってなかったのか?」
「南沢か…何だ?忘れ物をしたのか?」
「いや、お前に話がある……時間、良いか?」


珍しい、話があるとは……どうせ、同情とかだろうな……


「言っておくが、同情じゃないからな…」


バレたか……もしかして、顔に出ていたのか?


「いや、声に出てるし…」
「……南沢に指摘されるとムカつくな……」
「はいはいww」


南沢が笑った……これが普段、皆が見ている南沢の笑顔か……私には程遠いな


「……悪かったな、昼間は。お前の友達2人に怒られた」
「別に気にしていない……話はそれだけか?それだけなら私は帰らせてもらう」
「まだある」


話はそれだけでは無いのか?早く済ませてほしい……


「………好きだ」


・ ・ ・ ・ ・ ・ 


「は??」
「そういうリアクション、すると思った((クスクスッ」
「煩い、冗談は止めろ。私でもそういうリアクションになる……」


どうせからかっているのだろう……だが次の瞬間、南沢の目が真剣になった
私は怖くなり、後ずさった。南沢はどんどん近づいてくる
そして、私の後ろは壁…逃げ場を無くし、目の前に南沢が来た…壁に手を置き


「からかってない。本気だ……みょうじなまえ、お前が好きだ」


ドクンッ


心臓が跳ねた……息が出来ないほどに鼓動は早くなり、顔がだんだんと熱くなってきた


「!!顔真っ赤…可愛い((微笑」
「っ止めろ!!そんな愛しそうに私を見るな!!!……胸が苦しい///」


私には分からなかった……この“感情”が………


「胸が苦しいのは俺のが好きだから…つまり、俺に“恋”してるって事」
「……恋?」


私が南沢に?…ありえない!!あんなに嫌っていた南沢を好きになるなんて!?


「やっと、表情が見れた…可愛いよ、なまえ((微笑」
「っ///!!……煩い、馬鹿み沢///」
「馬鹿で結構。もう俺の彼女なんだから、俺以外に表情見せるんじゃねーぞ」


私はいつの間にか、コイツの虜になっていたのかもしれない…それに気づかず平然と暮らしていたのか……だったら次は私の番だ


「そっちこそ、私の彼氏になったんだ。その優しい顔を他の女子に見せるなよ?篤志」
「なっ///!?」


私ばかりは嫌だからな……次は私がお前を虜にしてやる。まぁ、もう虜かもしれないがな








[無表情な私とナルシストな君]





(なまえ先輩、南沢さんと付き合ってるって本当ですか!?)
(ああ、まあな…((微笑)
(なまえ、俺以外に表情見せるなって言っただろ!!)
(ヤキモチか?それはそれで嬉しい事だ((ニコッ)
(っ///!!……ったく、可愛い奴((微笑)
((ラブラブだ///!!!!))
〜END〜

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