俺は普通で平凡な学校生活を送っていたのに…


「おはようございます、なまえ先輩♪((ニヤッ」


こいつの所為で【普通で平凡な学校生活】は壊されたんだ……


「はよ…いい加減付き纏うのは止めてくれないかな?剣城京介君」


1年、剣城京介。口数が少なく、クールでサッカー部のエースストライカーだと倉間に聞いていたんだが…前言撤回、こいつはしつこく付き纏う悪魔だ


「京介って呼んで下さいって何度も言いましたよね?」
「無理。君が付き纏うのを止めてくれたら呼んであげるよ」
「止めないといけないんですか……無理ですね」
「なら、フルネームか苗字だよ。朝練あるんだろ?」
「朝練より先輩が先ですから」
「行かないともう口利かないよ。そして無視し続ける」
「行きます。先輩も見学してください!!」


本当にしつこい子だな……


「もう、分かったよ!!君の姿を見に行けば良いんだろ!!!」
「はい!!先輩、大好きです((微笑」


笑顔綺麗すぎ……これは確実に女子全員、惚れるな
俺は剣城京介君の練習姿を見に、サッカーグラウンドに足を運んだ…


ーグラウンドー
ワーワーッ


「熱気が凄すぎる……此処で見てて良いよな」


俺は階段の一番上に座ってサッカー部の練習風景を眺めた
サッカー部監督、円堂守がじっとこちらを見ていたのを知らずに…


「なまえ、お前何してんだ?」
「!!倉間か、はよ…」
「はよ…サッカー部見学ならベンチで見てろよ」


倉間典人、昔からの幼馴染で同じクラス、そして一番の親友だ


「んー…此処で見てる方が眺めが良いから、このままで良いよ」
「そうか……ベンチで見たくなったらいつでも下りて来いよ。待ってるからな((ポンッ」


倉間は俺の頭に手を置いて、練習に戻った
その時、サッカー部の監督さんらしき人が俺に近づいてきた…


「お前、サッカー好きか?」
「え?えっと……別に普通、ですけど…見てるのが好きなだけですし…」
「ならサッカー部入れよ!!お前、サッカー出来そうだからさ!!!」


この人、見た目で判断したな!!!


「なあ、部活に入っていないなら入れよ!!折角だしさ♪」
「お断りさせてもらいます…確かに部活には入っていませんが、運動苦手なので」
「嘘だな、お前のその体つきはスポーツをしていた体だ」


この人、観察力凄いなー……確かにジュニアのサッカーチームに入ってたけどさ;;


「行くぞ、みょうじなまえ!!!((ヒョイッ」
「何で俺の名前…てか下して――――!!!」


サッカー部の監督さんは俺を俵のように担ぎ、下に下りて行った…


「新入部員のみょうじなまえだ!!!」
「勝手に決めないで下さい。俺は入るとは一言も言ってません!!」
「今言ったぞ、なまえ」
「倉間、そこは流そうか…ややこしくなる;;」


何かサッカー部員ほとんどが目を輝かせながら見てくるんだけど…;;
剣城は凄く目を輝かせてるし……何だよ、これ;;
一種の虐めですか、先生!!!←


「サッカー部に入ってくれるんですか、なまえ先輩!!」
「剣城京介君、さっき言ったよ?入るとは言ってないって」
「今言いましたので強制です。拒否権はありません((ニコッ」
「笑顔が黒いね、剣城君。だけど無理、したくない、出来ない」


俺だってサッカーやりたいさ、でも…出来ないんだよ…


「なまえ、戻って良いぞ。悪かったな、後輩と監督がしつこくて」
「いや、良いんだ。俺の方こそ練習の邪魔して悪かった…また教室でな、倉間」
「ああ…」


サッカー部の皆が不思議そうに俺を見ていたが、俺はその視線を無視して教室へと歩き出した



〜剣城side〜
「先輩、邪魔しないで下さい。もう少しで入部してくれたかもしれないのに」
「剣城、なまえの事が好きならあいつの全部を知れ。さっきのお前はなまえを傷つけていただけだ」
「俺が先輩を傷つけていた?どうしてですか!?」


訳が分からない。俺はただ、先輩とずっと一緒にいたくて言ったんだ!!
…俺がなまえ先輩が好きってバレていたのか…


「監督も、なまえを責めるのは止めて下さい。これ以上は俺が許しません」
「悪い……」
「なまえはジュニアのサッカーチームに入ってました。だけど急にチームの仲間があいつを虐めたんです。サッカーボールでね……だから今はサッカーがトラウマであいつ自身もやりたい。だけど駄目なんですよ」


俺は大きな過ちを犯した……先輩とずっと一緒に居たいという気持ちが先輩を苦しめたんだ…
先輩は俺を、許してくれるのだろうか…


「不安そうな顔をするな、剣城。なまえは別にお前を責めたりしてねーよ。あいつは優しいからな((微笑」


倉間先輩が羨ましい……なまえ先輩の事を何でも知ってるなんて…
だけど、部活以外ではなまえ先輩を独占出来るんだ
早く、昼休みになってくれ…
〜剣城side終わり〜



ー昼休み(屋上)ー
「なまえ先輩、朝はすみませんでした」


剣城がいきなり謝ってきたからビックリした…


「別に気にしてないよ、でも…謝ってくれてありがとう、京介((撫で撫で」
「!!今、名前で呼んでくれた!!!」
「謝ってくれたご褒美だ」
「嬉しいですっ!!!」


目の前にワンコがいる、悪魔じゃなくてワンコになってる……やばい、抱きしめたい…
俺は衝動にかけられ…


ギュウッ


剣城を抱きしめてしまった…


「(どうしよう、離れるべき?それとも昼休みの間ずっとこの状態!?」
「…先輩、良い匂い…((ギュウッ ずっとこのままが良い」
「!!可愛いな、京介は((微笑 とりあえず弁当食べようぜ」
「ヤダ」


駄々っ子になったよ;;


「食べ終わったら、また抱きしめてあげるから…な?」
「!!分かりました((パッ」


何か……俺、京介に甘くなってないか?
………気のせいか
それから俺達は弁当を食べ、俺はまた京介を抱きしめた


「なまえ先輩…」
「ん―――?」
「サッカー部に入ってください…」
「…ごめん、無理なんだ」
「事情は倉間先輩から聞きました。だけど、このままで良いんですか?サッカーから目を背け続けるんですか!?」


いつの間にか京介は俺の腕の中からいなくなり、肩を掴まれた


「俺、もっと先輩と居たいんです!!先輩とサッカーしたいんです!!」
「京介…」
「お願いです、先輩……俺、なまえ先輩と離れたくない…誰にも奪われたくない…」


俺は京介に抱きしめられていた…
俺なんかに必死になる奴なんて、倉間だけかと思ってた。でも、こいつは本気で俺の事思ってくれてるんだな……


「ハァッ……分かったよ。サッカー部に入って、ちゃんと向き合う」
「絶対ですよ。トラウマが無くなったら、俺と勝負して下さいね」
「はいはい、俺が勝つけどな♪」
「望むところです((ニコッ」


笑顔が眩しすぎるよ……京介が惚れた奴、羨ましいよ…
………ん?羨ましい??まさか………


「俺男に惚れたの!?」
「先輩、好きな人出来たんですか!?そいつ誰ですか、殺してきます★」
「京介、黒い。そして君自身だよ!!!」
「……え?」
「うん、ごめん。忘れて良いから、記憶から抹消して良いから」


男が男に惚れるなんて危ない…この恋は抹殺して女を好きになるんだ!!


「俺以外の奴を好きになるなんて許しませんからね…」
「何で!?」
「だって両想いですから」


まさかのビックリ―――――――!!!!うわぁ、ドラマとかあったけど、本当にあったんだね…突然の告白;;


「先輩、これからず―――っと一緒ですね♪((ギュウッ」
「そうだねー……何で俺、京介に惚れたんだろうね?謎だらけだ」
「それは置いといて……」


チュッ


何か、京介の顔が近くにある……京介って、睫毛長いんだな…
それに唇に柔らかい感触が…………え?


「先輩のファーストキス、ご馳走様((ニヤッ」
「ファーストキス奪われた――――――///!?」
「先輩…」


京介は俺の耳に唇を近づけて…



「俺から逃れようだなんて考えないで下さいね?」


それで腰を抜かしたのは言うまでも無い……








[悪魔の囁きにご注意を]





(先輩、どうしたんですか?)
(京介の所為で腰が抜けたんだよ///!!)
(それは嬉しい事ですね♪)
((俺はこれからこの悪魔に振り回されるのか;;))
〜END〜

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