※主人公はフェーダ(主にサリュー)の番犬です




「なまえ、おいで」


ピクッ

誰かが俺の名前を呼んでいる……いや、俺の名前を呼ぶのはただ一人…


「はい、サリュー様」


俺を名前で呼ぶ唯一の人、サリュー・エヴァン様
俺を拾ってくれて、名前を付けてくれた人
俺は親に捨てられ、色んな奴らに酷い目に遭わされボロボロだった
このまま死ぬのも悪くないと思っていた時…


「死ぬのは駄目だよ。行く所が無いなら僕の所へおいで…綺麗な目をした狼さん((微笑」


この人は俺を受け入れてくれた。おいでと微笑んでくれた…
だから、俺はこの人について行った…傍に居たいと思った…
周りの人も俺を受け入れてくれた
名前をサリュー様に付けられる前に、俺は他の人達に【ウルフ】と呼ばれるようになった
なぜウルフと呼んでいるのか、メイア様とギリス様に聞いたら…


「「貴方の/君の髪色・髪型・目・目の色が狼にそっくりだからよ/だよ」」


だと言われた
別に悪い気はしない。むしろ、メイア様とギリス様はよく俺に抱き着いてくる
二人は恋人なのだから、二人がくっつけば良いのではと思ったが二人の顔は凄く温かかった
まるで、俺を自分の子供のような目で見つめてくる
俺はその瞳が好きだ。口には出さないがもちろん、普段の二人も好き…


「どうしたの、なまえ?」
「すいません、考え事をしていました」
「上の空だったから、他の誰かの事を考えてたのかなって思ったんだ」
「昔の事を思い出していたんです…皆さんと出会った時の事を」
「そうなんだ((ニコッ」


サリュー様は優しい…だけど、俺はこの人たちの…この人の為に何か出来ているのだろうか…


「サリュー様…」
「何だい、なまえ?」
「俺は、貴方の為に何か出来ていますか?」
「なまえ?」
「分からないんです…貴方に拾われてからずっと、傍に居ました。楽しく過ごしてきました。けど、本当に傍に居るだけで何か出来ているのか…貴方のお役にたっているのか分からないんです!!!」


不安で、不安で不安で壊れてしまいそうで…怖いんだ


「なまえ、君は十分俺たちの為にやってくれているじゃないか((スッ」


サリュー様の手が、俺の頬に来て撫でてくれた


「君は僕たちを守る為に、僕たちに刃向かう大人たちを殺してきたじゃないか。皆、凄く感謝をしている」
「本当、ですか……?」
「ああ、本当さ((ニコッ」


サリュー様は綺麗な笑顔で笑ってくれた


「なまえの殺し方、皆褒めてたよ?返り血も浴びないであんなに綺麗に殺せるなんて凄い!!ってね♪特にメイアとギリスが『さすが私/僕の可愛い子供!!!』って言ってたよ;;なまえを自分達の子供って思ってるみたいだ」
「嬉しいです、褒めてくれるなんて……メイア様とギリス様には本当に感謝しています」


サリュー様は少しずつ、顔を近づけていきこう言った…


「僕はね、なまえを見た瞬間君が欲しくなったんだ。ボロボロになりながらも澄んだ瞳、白い肌、綺麗な髪色…全部に惹かれていったんだよ」
「サリュー様……」
「お願い、なまえ……誰もいない時は僕の事、サリューかSARUって呼んで?」


サリュー様の頬は少し赤くなっていて、目が潤んでいた
その姿が何故か可愛いと…愛しいと感じてしまった
どんどん、サリュー様の顔が近づいてくる…
貴方の願いなら…命令なら、忠実に従いましょう……


「サリュー…」


そして、俺とサリュー様の顔の距離はゼロになった…


「嬉しいよ、なまえ。君が僕を名前で呼んでくれるなんて…もう、死んでも良い位だよ///」
「死んでは駄目です。貴方が死んだら、俺は生きていけません。貴方のいない世界なんていらない…必要ないんだ!!」
「!!なまえ……あぁ、愛しい僕のなまえ」


サリュー様は俺を優しく抱きしめてくれた


「これからもずっと傍に居て…死ぬ時もどんな時も…これは命令、だよ?良いね?」
「はい、サリュー((微笑」


どんな命令でも貴方の発した言葉なら、俺は受け入れます
だって俺はあの時、貴方の俺だけを見る優しい目を見た時から……


≪死ぬまで傍に居ると誓ったのだから…≫








[俺は貴方の忠実な番犬]




(SARU、あまりウルフを独り占めしないで!!)
(抱きしめられないじゃないか)
(なまえは僕の番犬だよ?少し位良いじゃないか)
(メイア様、ギリス様。すいません、サリュー様は一度言った事は聞かないので)
(ウルフがそう言うなら、今日はウルフをSARUに一日貸してあげる!!だけど、明日からは独り占めあまりしないでね)
(分かったよ……)
(サリュー様、夜はずっと貴方と一緒に居られます。だから安心してください)
(なまえっ……そうだね、夜はずっと一緒だもんね♪)
(ギリス、私達のウルフがいつの間にか逞しくなってるわ!!)
(そうだね、メイア!!)
〜END〜

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