ワーワーワーワーッ
俺たちは外で朝練をしていた
フェイはというと……
「……((ニコニコッ」
何故か凄い笑顔でこっちを見ていた……
気のせいだったら良いんだが、俺をずっと見ているような気がする
もしや、サッカーがしたくなったのか!?サッカーに興味を持ってくれるのは、俺的には凄く嬉しい!!
一応、フェイに聞いてみるとするか…
キーンコーンカーンコーンッ
チャイムと同時に朝練は終わった
〜部室〜
「フェイ…」
「何、なまえ?」
「お願いだから離れてくれ…着替えられない;;」
今俺は、フェイに後ろから抱きしめられて着替えられない…
つか、着替えようとした時に抱きしめられたから上半身裸なんだ;;
「え〜?別にまだ時間あるでしょ?」
「無い無い!!あと10分で教室に行かないといけないから!!!」
「それなら離れるよ」
パッ
フェイはすぐに離れてくれたが…これが天馬だったら、すぐには離れてくれないんだろうな……;;
「フェイ、今日こっちを見てたけどサッカーしたくなったのか?」
「ん?サッカーは楽しそうだと思ったよ。でも、僕はずっとなまえを見てたから、プレーしてるなまえを見れるだけで満足だよ♪」
「そ、そうか?」
「フェイ、何気に独占欲出すの止めてよね!!!」
「別に、天馬には関係ないじゃないか。僕となまえの仲なんだし」
バチバチバチバチッ
あー…また始まったよ;;
誰かこの二人を止められる人はいませんかー(泣)!!
「いい加減にしろ、二人とも!なまえが困ってるじゃないか!!」
「「!!……ごめんなさい」」
キャプテンの発した一言で、二人は言い争うのを止めた
「キャプテン……」
「なまえ、困っていたら何でも言って良いからな?俺はお前の見方だ((微笑」
そう言って、微笑んでくれた
「ありがとうございます!!」
やっぱり、キャプテンは頼りになる人だ
「………(まさか、神童さんってなまえの事…」
フェイは一人、そう考えていた……
※飛ばします;;
〜昼休み〜
「腹減った―――!!!」
「なまえ君、今日はどんなお弁当なんですか?僕、なまえ君のお弁当を見るのが、昼休みの楽しみなんです♪」
「輝、俺そんな大層なもんは弁当に入ってねーぞ?」
「違います!なまえ君のお弁当のカラフルさが好きなんです!!」
「そうなのか?」
「はい♪((ニコッ」
輝って、何だか弟的な存在なんだよな…何か見てるだけで癒される
「フェイ、屋上に行くぞ……フェイ!!」
「んんっ……((モゾッ あれ、授業終わったの?」
「フェイが寝てる間に終わったよ;;」
何で俺の膝の上で寝てるんだ―――!?
その所為で授業に集中出来なかった;;
皆からの視線が痛かったし…先生に気を遣わせてしまったし;;
本当に申し訳ない、先生よ!!!
フェイは起きるな否や
「なまえ、今日の僕のお昼ご飯は何?」
フェイ、君もお腹が空いたんだな…俺もだ;;
「今日はフェイの好きな人参と、菜っ葉と、あとはー…リンゴだな」
「ヤッター!!早く屋上に行こう、なまえ!!!」
フェイは嬉しそうに、スキップをしながら天馬達のところに向かった
「何だかフェイ君って、兎みたいですね♪」
「((ギクッ だ、だよな!俺もそう思った;;」
そういえば、皆にはバレたらいけないんだった;;
もし、フェイが兎だと皆にバレたらどうなるんだろう……
フェイを嫌ったり、拒絶するのだろうか…
フェイはまた、一人ぼっちになるのだろうか…俺の傍から居なくなるのだろうか…
自分でもこんな事を考えたらいけないと思った
だけど、心配なんだ……でももし、フェイが隣から居なくなったら…
「((ボソッ 嫌だな…」
俺は誰にも聞こえないような声で、フェイが皆の所に向かった方を見ながら…そう言った……
輝が俺の言葉を聞いて、心配そうに見ていたなんて知らずに…
俺はただただ、フェイが向かった方をずっと見ていた…
〜屋上〜
ガチャッ
輝と一緒に屋上に行き、ドアを開けたら…
「お昼ご飯の時ぐらい、なまえの隣に座っても良いじゃん!!フェイが居ない時はいつも俺がなまえの隣に座ってたんだから!!!」
「そんなの知らないよ。なまえの隣は僕の特等席なんだ!!」
「一緒に住んでるなら少しくらい良いじゃん!!!どうしてそんなに欲張りなの!?」
「僕は1日中、なまえの隣に居ないと気が済まないんだ!!むしろ、数分でも離れたら死んじゃうかも…」
またもや喧嘩勃発;;
喧嘩の理由は大体分かるけど……フェイ、俺が学校行ってる時はいつも1人だろ!?
数分どころか、数時間離れてたよな!?
「二人とも、いい加減にしないと…本気で怒るぞ!!!」
キャプテン、もう怒ってます…本気で怒ってますよ―――――!!!!
「なまえ、神童さんが怖いよ!!!((ギュウッ」
怒らせているのは君たちだよ;;
「とりあえず、ご飯食べようぜ;;お腹空いた…」
「なまえと久しぶりのお昼ご飯♪」
ワイワイッ
「フェイ、それだけで足りるの?しかも人参と菜っ葉って;;」
「天馬、これが僕の大好物なの!!((カリカリッ」
「何だか兎みたいだな、フェイって」
神童キャプテン、勘が良過ぎですよ!?
何だかバレそうで怖いんですけど、俺(泣)
「毎日なまえ君の弁当を見てますが、飽きませんね♪」
「お、今日は兎のキャラ弁か!!!可愛いなww」
「霧野先輩、次言ったら箸を目ん玉にぶっ刺しますよ(怒)」
「謝るから!!マジでごめんって!!!」
それから、皆とおしゃべりしながら楽しく昼休みを過ごした…
「なまえ、リンゴあげる!あーん♪」
「あー…((パクッ サンキュ、フェイ((撫で撫で」
「エヘヘ///」
「またフェイが抜け駆けした―――――!!!!」
「お願いだから、喧嘩をするな!!!」
多少のトラブルも遭ったけどな;;
キーンコーンカーンコーンッ
「チャイムも鳴ったし、戻るか。フェイ、教室に戻るぞー!!」
「先に行ってて―――!!!」
「??分かった、すぐ戻ってこいよ!!!」
「うん!!!」
そう言い残し、俺は天馬達と一緒に教室に戻った
「何だ、話って?」
屋上に残ったのは、フェイと神童の二人だけ…
「正直に答えて欲しいんだ。神童さん、あなたはなまえの事が好きなの?」
「!!!……どうして答えないといけないんだ?」
「あまりライバルを増やしたくないからだよ…もう、あなたとはライバルかもしれないけどね」
「フッ……確かに俺はなまえが好きだ。だが知ってどうする?」
神童は不適な笑みでフェイを見つめた
「宣戦布告、かな?天馬にもされたけどさ…僕、意外とヤキモチ屋なんだ。僕はもう、1人になりたくないから…なまえを僕のものにする、絶対に!!」
フェイの目は、決意に満ちた目をしていた
「なら俺も負ける訳にはいかないな!!!」
神童もまた、決意の目をしていた…
こうして、フェイと神童と(その場に居なかった天馬)の戦いが始まった…
なまえがその事を知るのはまだ先の事……
「くしゅんっ!!…風邪かな?」