ホワイトデーのお返し〜不知火一樹の場合〜

*不知火一樹の場合*




「なんですか急に」
「お前今日暇だろ?」

いきなり生徒会室に呼び出されてこの発言。一樹会長の俺様っぷりには、呆れるを通り越してため息しか出てこない。

「一樹会長って私の事ばかにしてますよね」
「俺がいつそんなことをしたんだ。ほら、鞄持て。行くぞ」
「っえ!ちょっとっ」

強引に掴まれた手。慌てて鞄を掴んでその手が離れるように追いかける。強引に掴んだはずなのに、痛くなくて…むしろすぐに振りほどかれそうでちょっと心配になったのは内緒だ。

「あの…どこいくんですか?」

生徒会室を出て、連れられるままに歩けば街へ行くバス停の前。

「これからお前にとっておきのものを見せてやる」
「はぁ…」
「なんだよ、もっと嬉しそうにしないか」
「と言われましても…」

何故こんなことになっているのかさっぱりだ。そう告げると、一樹会長はその悪戯な笑顔でこういった。

「ホワイトデーは三倍返しだろ?だから、俺が笑顔になった三倍お前を笑顔にさせてやる!」





(強引なところも、さらりとかっこいい事を言うのも…貴方の魅力です)




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