starry☆sky de 零式パロディ〜七海哉太の場合〜
ポンっと手渡されたのは拳銃。しかも二丁。おいおいお前危ねぇだろと言えば、弾は入ってないからと姫に言われた。そういう問題じゃないんだが。
「ぁ、ジャケットの前留めないでね!」 「留めねーよ」
っていうか制服も前は留めてないだろ?動きにくい感じがして気持ち悪ぃんだよな。手にした二丁の拳銃。普通一丁だと思うんだが、姫は俺に何を期待しているのだろう。
「おい、今は実際撃たねぇけど、実弾入りなら二丁ってかなり不利じゃね?」 「哉太、ロマンがないよロマンが」
こいつにロマンを語られるとは思わなかった。まぁ形だけなら格好いいのかもしれない。弾切れしたら詰むけど。
「そうなんだよね…実弾だから弾切れたら詰め替える間カチカチしてて無防備…いやレベルあげればいいんだけどさ」 「それって姫がハマってるゲームか?」
最近、クリスタルの加護だとかやたらご苦労だとかいうので、気にはなっていたけど。姫曰く氷剣の死神は何故星月学園にいないの!?らしいが、居たら困る。
「そうそう、哉太のコスもその中の一人なの」 「銃使いねぇ…」
どちらかというと道具を使うより直接殴りかかる方が俺にはあっている気がする。その考えを読み取ったのか、近接もあるから!と付け加えられた。狙うよりそっちのが単純でいいよな、と思ったが、姫はどうしても銃を使わせたいらしい。
「もう一人銃使いがいるけど、あっちは魔法銃だからね。哉太には向いてない」 「お前今さらっと失礼なこと言ったよな」 「才能の問題っ!回復も苦手だからね因みに。魔法不向き!銃を両手にオラオラ系!」
先程から失礼なことを言いまくってるが、確かに呪文とかなんかそういうややこしいのは苦手だ。肉体派というのだろうか、自分はそちら向きだと思う。錫也なんかは魔法唱えて相手いたぶりながら笑みを浮かべてるタイプだろうけど。
「ほらほら!構えてみて!」
姫に促されてポーズをとろうとしたが、二丁拳銃を持っているとなるとなかなか難しい。グッと前に突き出せば、一体どちらの銃でどう狙えば当たるのか検討も付かなかった。
「おい、やっぱ二丁もいらねぇだろ」 「いいから!」 「…………」
あぁ、そういえば錫也だったかが『名前がコスを要求したらこの台詞を言え。解放してもらえるから』って言ってた事があったな。その時は全く意味がわからなかったが、それがゲームの台詞だと分かったとき、頭の中ですべてが繋がった。錫也の事だ、姫に関することなら何でも調べているのだろう。
「、ったく。あいつには叶わねぇな」 「?なにが…」 「言ってやるよ、お前の欲しい言葉」
銃を再び構えてかっこをつけてみる。何度か構えてると結構馴染んできたよな。ぼんやりとそんな事を考えながら、俺は錫也に教わった言葉を口にした。
『ロックンロォォォォォル!』
(、どうだ!) (あー、うん…) (なんだよその反応) (いやその技はさ、その構えじゃないんだよね) (お前な、感謝とかお礼は言えないのか) (哉太には言いたくない) (んだと!?)
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ほとんど使ったことないですキング。 私が使うとロックンロールが台無し。
20120223
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