starry☆sky de 零式パロディ〜土萌羊の場合〜










「羊くんはね、迷ったのすっごく!」

姫がそう言って、僕にカードを持たせる。トランプとは少し違うそれ。なに…?と首を傾げたら、顔の横に持ってきてと言われたので構えてみた。

「やっぱり羊くんはカードだよ!私の目に狂いはなかった!最後までウェポンスペシャリストと悩んだけどカードっ!正解っ!」

キャッキャと楽しそうに、彼女にしては珍しく抱き付いてくるものだからビックリした。普段は僕が抱きしめても恥ずかしそうに俯くのに。今日の姫は大胆だ。

「キミが楽しそうだと僕も嬉しいよ。だけど、さっきからなんなの?」

ウェポンスペシャリストとか…日本ではよく分からないものが流行っているみたいだ。僕ももっと勉強しなくちゃ。

「んっとね、羊くんは王子様ポジションなの。体力は少し少なくて心配なんだけど、カードを操れば遠距離から攻撃できるし、なにより回避が神だからね。私も何度助けられたか…」

姫はうんうんと頷きながら話すけど、僕にはなんの事かさっぱり。体力が心配なのは哉太だし、僕は喧嘩には自信があるから遠距離からなんて真似はしない。
なんだが姫が別の人の話をしているのが気にくわなくて、姫をグッと抱きしめた。

「よ、羊くんっ!」

顔を紅くしてるのは僕に重ねた誰かに照れてるの?姫は僕のものなのに。居たたまれなくなって、姫の頬に手を添えて僕はそっと囁いた。






『ここだ、僕はここだ…』







(羊くん、羊くぅぅぅん!!!)
(わ、姫が抱きしめ返してくれるなんて…今日はほんとに大胆だ)
(あまりにもそっくりだったからつい…)
(まだ僕に誰かを重ねてるの?む〜…)
(、ちょ!羊くんっ!)
(キミに僕は僕だって教えてあげる)

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カードだろう…彼はカードだろう。
素敵王子様ポジ!

20120217




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